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第8章 四国地区造船業・舶用工業の抱える問題点

 

四国地区は立地条件、社会条件ともに造船業に適しており、しかも各造船所は経営力・営業力を持っているところから、今後も発展の可能性は大いにある。ただ、経営資源を規模別にみると大きな差があり、しかも船価低迷により設備投資や新規採用を抑制してきたことから、経営力格差は一段と拡大しつつある。

こうした状況から、業界の抱える問題点を整理すると、次の2点となる。

?@設備の改良・労働力の確保等生産性の向上

?A市場の量的・質的変化への対応

の2つである。

 

1. 発展可能性

 

(1)競争力

新造船受注においては、価格(船価)競争力以外に、技術、納期、アフターサービスあるいは信頼、実績といった非価格競争力によっても左右される。さらにこれに加え、発注側の要因では、保有船の船齢、耐用年数、資金繰り、決算対策などが複雑に絡み合っている。

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四国地域においては、造船所の集積地として「揉まれて」きたため、中手・中小型造船所においても、わが国全体を見回してもその競争力は評価されている。

四国の造船所はコスト競争力を武器に、巧みな営業活動により、次第に扱い船型を大きくし、船種の幅を広げてきた歴史を持つ。

 

 

 

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