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大型ブロックを建造可能なドックは限られているので、大きなものを製作していくには、中型ドックで小型ブロックを建造し、それらを大型ドックで大組み・全体組立てしていく方法が望ましい。各ブロックの大きさは、ヤード設備、加工機械、クレーン設備、運搬設備等の設備能力により制約される。このため、設計・計画の段階から、分担していくことが望ましい。

上部構造の内容によっても工事量が異なり、造船所でどの程度まで上部構造を製作できるか不透明であるが、艤装の工程が少なくなると想定されるので、工場全体の仕事を効率よく流していくには、小型・中型をブロックを外注し、効率よく組立てていくことが欠かせないと思われる。現在、四国地区においては建造能力等のハード的なものは十分であると考えられるが、それを分担して建造していくというソフト面で何らかの対応が求められよう。(四国地区以外でもこの面では未対応)

この取り組みを進めるための組織として、後の章で提言する「技術懇談会」(仮称)が機能していくことが期待される。

 

(4)広報・PR

今回のアンケートでは、メガフロートの利用例について想像図を添付するなど、工夫したがアンケートの意見でも、「浮体式海洋構造物」ではピンと来にくいので、一般の人にもわかりやすくするために、「愛称」「通称」を付すべきとの意見もあった。

アンケートでは、「浮体式海洋構造物」に対する理解を助けるために、メガフロート技術研究組合の資料、イメージスケッチ、既存の利用例等の資料を同封した。このため、メガフロートのアウトラインが把握され、前記の高い性能評価につながったものと思われる。

このため、今後においてもメガフロート、さらに広くは海洋開発全般に対する情報を広報していく必要がある。

「メガ」「巨大」「超大型」という言葉が先行し、遠い先の夢物語のように捉えられがちな点も否めない。しかしながら、超大型でなくドック規模に応じた中規模・小規模のものなら、建造する能力は四国の造船所は十分に有している。「メガ」にこだわらないのなら、実現可能性は大いにあるというのが、メガフロート部会での協議結果である。この点についての、一般の理解はアンケートを見る限りにおいて、まだまだ不十分である。

メガフロートは「遠い未来」のことではなく、今でも現実に造ることはできる身近な存在であることをさらにPRしていくことが必要である。

それは、メガフロートを公共的施設として設置する場合、当該自治体の協力が住民の理解を得るためにも、欠かせない。

 

 

 

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