【小型船】
小型船(5000総トン未満)は、内航船と近海船とで構成される。
内航船は、輸送構造の変革が次第に多様な分野に及んでくるため、中期的には回復は難しいものとみられる。
上位のケースでは、近海船の需要が当面は見込まれることのほか、内航船についても巧みな営業、コスト競争力から97年度(平成9年度)程度の底堅い需要を見込む。産地、「船どころ」としての総合力を発揮し、次第にシェアを伸ばしていくものの、中期的には労働力不足等への対策が必要となろう。
下位のケースでは、設備の近代化の遅れ等から、生産性向上が進まない一方、地元内航船主の構造改善が遅れるなどの要因を想定している。このため、現在のわが国全体に占めるシェア(50%)程度に止まる。今回の不況以前の状態(20万トン)を平常とすると、少なくともここ5年間はそのほぼ半分程度の水準に止まる。10年後にようやく需要が戻っても20万トンには届かない。