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(2)試算結果

a)見通し

上位のケースと下位のケースについて試算した。2000年までの見通しについては、直近の受注量、建造実績等を加味・調整している。

*四国の船型別建造量データが年度単位となっているため、以下、年度計数に組み替えている。

上位は、適切な対応が図られ、国際・国内両面について四国地区造船業の競争力は維持ないし向上され、現在の地位を保ち続けるとするものである。

下位は、労働力の不足、高齢化、設備の陳腐化等により生産性が高まらず、競争力が急速に衰えるとしたケースである。この場合、設備増強された韓国に加えて、中国等が2005年以降にシェアを伸ばしていくため、四国の建造量は次第に先細りとなっていくとみた。

次の図の通り、上位のケースでは、大型タンカーなどの建造も見込まれるため、四国地区の建造量は2002年頃まで240〜250万総トンと、活況が続くものとみられる。2003年以降は若干、ゆるやかに減少を示すものの、230〜240万トンと高い水準が続く。その後、アジア諸国での生産力が高まっていくため、減少傾向となる。

下位のケースでは、2000年頃までは1997年度の建造量レベルがしばらく続くものの、2001年以降は諸外国の能力増強による供給力過剰から、低船価が続き、建造量は次第に減少傾向をたどるとみたものである。

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b)規模別見通し

規模別に過去からのやや長期の推移も含めてみていく。

【大型船】

大型船(1万総トン以上)は、トン数ベースで建造量全体の8割程度を占めており、全体の動きとほぼ同一である。大型タンカーや貨物船等の建造に取り組まれることが予想される。

 

 

 

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