3. 四国地区の需要見通し
(1)需要見通しの考え方
造船業のマーケットは、海外・国内共通であるため、基本的にはわが国全体の建造量をベースに、四国が確保しうると推定されるシェアから算出する。
大型船(1万総トン以上)においては、世界需要の見通しとわが国のシェアにさらに四国のシェアを乗じる。四国地区のシェアは、現況通り(わが国の20%)とみた。
中型船(5000〜9999総トン)については、過去の推移等より試算した。
小型船(5000総トン未満)においては、運輸省の予測(平成9年11月)をベースに、四国地域のシェアを乗じた。四国地区のシェアは若干上昇(2ポイント程度)すると予測した。四国地区における中小型船建造量はわが国の約50%を占めており、業界再編の大きな波を避けては通れない。しかしながら、以下の理由により、造船所の数自体は若干の減少は避けられないものの、わが国全体に占めるシェアはむしろ上昇するとみた。
?@.造船所経営者ヒアリング等においても、経営維持の意向が強い。
?A.経営力等の蓄積を有する造船所が多い。
?B.修繕需要等が期待できるので不況耐久力は高い。
?C.設備・土地は立地からみて他用途への転換が難しく、また敷地が狭いため規模拡大を意図する造船所においても買い取り等の魅力は乏しいため、一般に買上げによる事業整理は難しい。