c)今後
四国地区においては、経営多角化路線よりもむしろ、地の利を生かして、あくまでも建造・修理業を主体に、今後とも経営努力を続けていこうとする意向が強い。しかし、設備投資への対応を始めとして、造船所間では経営力、技術力、営業力の差が広がりつつあり、中小造船所の主たる顧客層である内航海運業界が構造改革を迫られていることから、将来の経営に大きな影響を与えることが予想される。小型造船所には、設備・技術・コスト競争力の面で新規事業参入は難しく、今後とも造船専業としていかざるを得ないとみられる。
(4)共同化
a)実施状況
今回調査によって実施したアンケートによっても、共同業務を過半数の造船所は行っていない。しかしながら、地域の同業者との協調、連携は結果としてうまく行われており、造船所同士のゆるやかな横の関係を中心に、新造船のブロック建造および修繕工事の融通、委託等を行っている。