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7. 経営

 

(1)経営スタンス

四国地区の造船所は、個人企業ないし同族経営、オーナー経営が多い。次第にグループ化が進展し、系列化が明確になってきたものの、それぞれの経営者の考え方も異なっている。一般的には各社ともできるなら経営の独立性を保ちながら、厳しい競争に生き残っていこうとする意識が強い。

経営の方針としては中型造船所では、得意船種・船型を持つ、あるいは設計・加工技術部門を強化し船種の多様化を図り特徴を持つ等がある。

小型造船所では、設備投資を極力抑制するとともに、生業的経営により、管理費・間接費を最小限にとどめようとするものが多い。できるだけ仕事量を安定確保し、造船業を続けていこうとする意思を持つものが多い。船舶の仕様や建造方法においても、自社なりの個性を持っており、内航船の標準化が進みにくい一因ともなっている。

 

(2)グループ化

将来のグループ化についてアンケートによると「自主路線を継続」が全体で56.5%を占めている。「既加入グループ内での連携強化」は2割強である。また、「自社でリードしグループ形成」「グループ入りを視野に入れる」はともに1割以下と少数である。3,000総トン以上クラスになると既存グループ内での連携強化が多く、3,000総トン未満では自主路線継続とするものが多い。小型造船所においても自主独立傾向が強いことがうかがえる。

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