b)将来見通し
仮に、現在の年齢構成がそのまま10年経ったと想定したのが上掲の図である。50歳代の層が突出することになり、年齢構成のいびつさが一段と明瞭になる。総人員も40%減ることになり、大変な労働力不足が訪れることは明らかである。
作業工程の改善により、省力化・省「人」化を進めるとともに、抜本的には、若年者が入職し、仕事を覚えてもらいながら、社内で育っていく仕組みを構築していくべきであろう。
c)採用
四国地区において中クラス以上の造船所では定期採用をほぼ毎年行っているが、小造船所においては、新卒者採用を定期的に行っている事業者は少なく、Uターン者等の中途採用に頼っている。現在は不況から労働市場の需給が緩和し、平成5年頃までの状況に比べると、採用しやすくなったとされている。しかしながら、他産業に比べて、採用が有利な状況にあるとは言えない。他産業の求人が少ない地域においては採用しやすいものの、これはむしろ例外と言える。
造船業につきものの現場作業においては、作業条件や待遇の不満もあり、定着率が低く、依然として若年労働力の不足に悩まされている。
(3)労働条件
今治地区においては、造船関係従業者の賃金は土木建築業、タオル等その他の産業よりも若干、上位にあるとみられ、また、造船関係者就職者も多いこともあって、他地域に比べ労働力確保について恵まれているようである。しかしながら、かつての不況時の記憶が地域にはいまだ残っているという指摘もあり、今後においても就労環境の改善やイメージアップが望まれよう。
就業日数、残業時間は一般に多い。土曜日は月2回休み等にしているが、修繕事業において