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9.1.2 調査結果

 

(1)公共道路庁訪問・浮体橋調査

a)面接者

?公共道路庁(本庁、オスロ)

グスタフセン氏(ノルウェー王国公共道路庁橋梁部主任技師)

ソレイド氏(レイナーセン社)

?ノルドホルドランド橋(ベルゲン)

スコグランド氏(公共道路庁ホルドランド支部建設部主任技師)

?ベルグソイスン橋(クリスチャンスン)

ハッセロ氏(公共道路庁モア・ロムスダル支部)

b)組織の概要

公共道路庁は、ノルウェー全体の道路、トンネル、橋梁の設計、建設及び維持管理を行っている。設計については、オスロ本庁が担当し、建設は本庁と各地方の支部が、維持管理については各支部がそれぞれ担当している。グスタフセン氏の所属する橋梁部は、浮体橋梁を含む橋梁全般の設計、建設を担当している。

また、スコグランド氏の所属するホルドランド支部、ハッセロ氏の所属するモア・ロムスダル支部は、管轄区域内の道路の建設及び維持管理を行っている。浮体橋については、橋梁各部の応力(ひずみ)等を事務所で常時モニタリングしている(計測現場と事務所はオンラインでつながれている。

c)浮体橋梁の開発経緯

ノルウェーの西海岸は、数多くのフィヨルド及び点在する島があり、これらの間の交通はこれまで主としてフェリーにより行われていた。しかし、臨海郡の交通需要の増大に対応して効率化をはかるため、橋梁、トンネルの建設が進められている。これらの一環として建設された浮体式橋梁が、クリスチャンスン(Kristiansund)地区のベルグソイスン(Bergsoysun)橋及びベルゲン(Bergen)地区のノルドホルドランド(Nordhordland)橋である。

ベルグソイスン橋は、KristiansundとFreiを本土に直結させるKRIFAST計画の橋梁及びトンネルの中の橋梁のひとつである。ベルグソイスン橋は、Bergsoya橋とAspoya島のSkjevling-vagenとを結ぶ。この海峡は、幅が約800mであるが、中央部分の最大水深が300mを越え、しかも海底の傾斜が急であり、例えば吊り橋の場合、橋脚を岸側に近い場所に設置せざるを得なくなり、中央径間がかなり大きくなるために、経済的なことが問題となった。そこで、代替案として浮体式橋梁が提案された。本橋梁は、1990年9月に建設着手、1992年7月に供用が開始された。写真1参照。

 

 

 

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