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6.4.3 チェーン係留について

 

一般にチェーン等の係留ラインの張力は、風などによる定常外力と波浪等の変動外力に起因する浮体の動揺による張力増加の和として考えることが出来る。例えば、浅海域で干満差が大きい海域でのチェーン係留は、係留チェーンの垂み不足(チェーンがピンと張りカテナリーが崩れている)が原因でチェーンや浮体上のチェーン緊張部等に過大な応力が生じるようになり、使用が困難になる。

浅海水深と大水深時のチェーン係留の特性としては以下のようなことがいえる。下図6-34,35は、チェーン係留において、大水深時、浅水深時の浮体の水平変位とチェーンにかかる力の関係を示している。図6-34,35の大水深時では浮体にかかる通常の風、潮流による静的荷重とチェーンにかかる設計最大荷重の間で浮体に相当な水平移動量が確保され、係留チェーン張力のカーブが緩やかである。これに対し、図6-35の浅水深時では、チェーンのゆるみが少ないことにより、浮体の水平変位と伴にチェーンの張り詰めが始まり静的荷重時と設計最大荷重時との間で水平移動量が減少し、チェーン張力が急激に増大しチェーンの破断を招くことになる。水深が浅い場合はバネが硬く曲線の勾配が大きくなり、許容動揺量が小さくなる。

さらに、水深が浅い場合には、バネが硬くて曲線の勾配が大きくなり、浮体水平面内動揺の固有周期が短くなって波周期に近づく。それにより同調現象が生じて、動揺が大きくなり、係留ラインが破断する危険性がある。このような現象は、係留ライン長を大きくしてもあまり改善されない。そのようなことから、浮体の変位量を吸収できる係留方式を考案する必要がある。

083-1.gif

 

083-2.gif

この点を改善する方法として、係留ラインの途中にシンカーを設ける中間シンカー方式と係留ラインの一部或いは前後にゴムとチェーンの複合材を用いる方法がある。

以下に中間シンカー方式とチェーンに複合材を用いるフェンダー付加方式について特徴を述べる。

 

 

 

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