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1)ISO 2631/36)

この基準(正式には指針であるがここでは広い意味で基準としておく)は乗物の乗心地についての評価を基準化したものであり、特に動揺病(悪酔い)に影響する0.1〜0.63Hzの振動数範囲の鉛直振動を対象としている。同基準では図-3.3に示す「きわめて不快な限界(severe disccomfort boundary)」に対応する基準を提案している。これは一般の成人健康男子の約10%が動揺病にかかるであろう限界を示している。この限界はISOが1977年に出したプロポーザル7)とほとんど同じである。また、この限界(図-3.3)は多くの文献で引用されている。(文献8)など

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2)ISO 68979)

この基準は、陸上の建築物や海洋における固定式構造物に発生する水平の長周期振動を対象とするものである。この基準は将来の海洋都市における快適性の問題に最も密接に関係していると思われるので、ここではその要点をまとめたものを参考資料として次頁に示した(なおこれは文献9)から引用したものである。

参考資料に示すように同基準では評価曲線を、構造物、用途、対象とする人に応じて与えている。将来の海洋都市を想定した場合は参考資料の図4.2.1-1の曲線1(一般用途、一般成人、苦情レベル2%に対応)を適用するのがよいと判断される。この場合の基準加速度は3ガルから8ガルの間にあり、図-3.3の乗物の場合における25ガル以上の基準値とはかなり違っている。このような違いは乗物に対しては垂直の振動、建築物に対しては水平の振動を対象としていること、さらに、人々の環境に対する期待度の違いによって生じていると考えることができる。すなわち居住の場合と交通の場合とではおのずと人々の期待する許容値も異なってくるはすであり、基準の内容もそのようになっている。

以上で、ISOの基準を中心に快適性の評価方法について説明したが、前述のように

 

 

 

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