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第2項 船籍票の書換及び再交付の手続

1. 船籍票の書換を要する場合

船籍票の記載事項の正確性を確保するため、次のように書換申請を強制し、(1)及び(2)の違反に対しては、船舶所有者を2千円(現行においては2万円)以下の罰金に処するものとする(船籍政令11条)。

(1) 船舶の種類等の変更 船籍票に記載された船舶の種類、船名、船舶の長さ、幅、深さ、総トン数、推進機関の種類並びに所有者の氏名又は名称及び住所について変更したときは、船舶所有者はその日から14日以内に船籍票の書換を申請しなければならない。なお、船舶所有者の変更(所有権の変動をいう)の場合は、(2)による(船籍政令3条1項)。

(2) 所有者の変更 船籍票の交付を受けた船舶につき所有者の変更があったときは、新所有者は船籍票の書換の申請後でなければ、当該船舶を航行の用に供することができない。ただし、この事実を知るに至るまでの間及びその事実を知った日から14日以内は、この限りではないものとされる(船籍政令4条1項)。ここに所有者の変更とは、船籍票に記載した筆頭者以外の共有者(外何人と記載された者)の変更の場合をも含むのである(注1)。

(3) 船籍港の変更 船舶の船籍港を変更(注2)しようとするときは、船舶所有者は船籍票の書換の申請(他の都道府県の区域内に変更する場合には、転籍の申請という)をしなければならない(船籍政令5条1項、2項)。なお、船舶の船籍港が一般的に変更する場合、すなわち、行政区画の変更により、船舶所有者の意思にかかわらず、他の都道府県の区域内に船籍港が属するものとなったときは(いわゆる転属をいう)、申請を必要としないのであって、職権により転属後の管轄都道府県知事が船籍票を交付する(船籍政令6条)。

(注1) この場合は、船籍票の記載面は、形式的には変更を生じていないが、本来船籍票に記載すべき事項に変更を生じたのであるから、船籍票は書換を要するのであり、新船籍票と旧船籍票とは証書の日附のみが異なることとなる。

(注2) 船籍票の交付を受くべき船舶の船籍港は、登簿船の場合と同様に、所有者が定むべきものであるから、所有者が変更した場合には、船舶の船籍港も変更されるのが通常である。船籍港が変更する場合を地域的にみれば、同一都道府県の区域内における変更と他の都道府県の区域内への変更とがあり、後者はさらに転籍(船舶所有者の意思による場合)と転属(行政区画の変更による場合)とに分れる。

 

2. 船籍票の書換又は再交付の申請手続

(1) 船籍票の書換申請

(ア) 申請者 船籍票の書換を申請すべき者は、通常船籍票に記載されている所有者であるが、船舶所有権の移転の場合にあっては新所有者が申請者となる(船籍政令4条1項)。なお、申請は、代理人によってなすこともできる。

(イ) 申請書の提出先 現に船籍票の交付を受けている都道府県知事(支庁又は地方事務所により交付されている場合には、その機関)である。

 

 

 

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