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(5) 代理人によって申請するときは、その代理権限を証する書面

船籍政令に基づく申請については、代理人に関する規定を設けないが、代理人によって申請をなしうるものと解する。代理人とは、前述の船舶の登録における場合と同様であり、代理権限を証する書面とは、一般には委任状である。

(6) 船籍票交付手数料

船籍票の交付を受けるに必要な一定の手数料を納付することを要し、通常、申請の際に提出するものと定められている。

(注) 船舶の大修繕、改造等を行っても必ずしも船舶の同一性が失われるものではないが、これを新造(船籍票の新規交付となる)又は改造(船籍票の書換)の何れとみるべきか判断に苦しむことがある。一般的には、当該船舶が物理的変動により船舶でなくなった時期があるか否かにより決すべきであろう。ただし、先例は、原船の材料のみにより原形に復する場合は新造とみなさないものとする。なお、次のごとき場合は新造として取扱われている(昭和4年2月8日管船局回答舶90号)。

? 操舵室及び機関室の一部を除くほか、竜骨、外板及び内張に至るまで全部新材を用いて新たに原船同型の船舶を建造した場合

? 解撤した船舶の竜骨、肋骨及び外板その他の古材に一部新材を用いて加工建造した場合

 

3. 船籍票の交付申請に対する審査

船籍票に関する各種の申請が都道府県知事に対してなされた場合には、その申請が適法なものであるか否かをまず書面上審査しなければならないが、船籍票の交付申請の審査にあたって、特に留意すべき事項は、次のとおりである。

(1) 船舶の船籍港たる市町村が当該都道府県知事の統括する区域内にあること(船籍政令1条)。

(2) 船舶の所有者に関する事項が事実と一致するものであること(船籍政令2条1項)。

(3) 船舶の進水の年月が事実と一致するものであること(船籍政令2条1項)。

進水の年月が不明の場合には、製造年月をもって進水年月とみなし、また製造年月も不明の場合には、不明のまま認めるほかはない(船籍手続第2の3参照)。

(4) 手数料を納付すること。

 

4. 船籍票の交付の実行

都道府県知事は、申請に関する調査の結果、申請を適法と認めるときは、当該船舶を検査し(総トン数に関する証明書の提出があったときは、検査を行わない。)、申請者に対して船籍票を交付するのである。

(1) 小型船舶の検査の実行

(2) 船籍票の作成、交付

船籍票は、一定の様式の用紙により(船籍省令第1号書式)次の事項(注)を記載して作成、交付する(船籍政令2条1項)。この場合に、船舶の検査事項については、船舶の検査の結果を記載した書類又は都道府県知事若しくは領事官が交付した総トン数に関する証明書に基

 

 

 

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