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海官庁名、検認をなした年月日及び次回に検認をなすべき期日を記入して、これを保存する(手続56条ノ6・1項)。この場合において、総トン数100トン以上の鋼船につき船舶原簿の謄本により検認をなしたときは、前記の記載のほか申請書の余白にその旨を記入するものとされる。

なお、船籍港を管轄する管海官庁以外の管海官庁において検認をなしたときにあっては、検認申請書の1通は当該官庁で保存するが、他の1通は当該船舶の船籍港を管轄する管海官庁に送付し、そこで保存する(手続56条ノ6・2項)。

検認申請書を保存するのは、主として次回の検認の実行に利用するためであり、その保存期間は、検認に関する法定制限期間(法5条ノ2・2項の期間)経過後1年とされる(手続7条1項5号)。

(イ) 船舶国籍証書の検認を実行したときは、当該船舶の船舶原簿の裏面に検認をなした管海官庁名、検認をなした年月日及び次回に検認をなすべき期日を記載し、当該官吏が捺印するものとされる(手続56条ノ7)。

(ウ) 管海官庁は、前記の手続をなすほか、船舶国籍証書の検認に関する事務成績を毎年4月に一定の書式により運輸省に報告することを要する(手続57条ノ2)。

(注1) 船籍港を管轄する管海官庁以外の管海官庁で検認を実行する場合には、船舶原簿保管官庁に対して、その照合を委嘱する手続を要するから、検認手続は複雑であり、またその間船舶国籍証書は管海官庁に提出されているので、船舶を運航させ得ない不便がある。しかし、かかる取扱は、船舶所有者の便宜を考慮した措置であり、また前回の検認から次回の検認までの間には相当の年月があるのであるから、やむを得ないものであろう。

(注2) 検認手続を円滑に実施する趣旨から、実務上は、検認期日が近づいた際には、管海官庁は所有者に対して督促をなすものとされる。(昭和26年5月18日船舶局長通達舶登464号)。

 

5. 検認期日の延期

船舶国籍証書の検認は、原則として指定せられた期日までにこれを受けることを要するが、船舶の運航上船舶所有者をして常に次回の検認期限を配慮せしめることは酷に失するので、その緩和的調整措置が講ぜられている。すなわち、検認期日の延期の許可がこれである(法5条ノ2・3項)。

(1) 検認期日延期の許可の要件

検認期日の延期が許可されるためには、船舶が外国にあるとき、その他正当の事由により船舶国籍証書の提出が著しく困難であることを要する(法5条ノ2・3項、細則30条ノ6)。また、延期された期日についても、前記の要件を備えるときは許可される。なお、正当の事由に該当するものとしては、次のごとき場合があげうる(注)。

(ア) 船舶国籍証書に記載されている所有者と実質上の所有者とが一致しない場合において、その所有権移転の登記、登録又は船舶国籍証書の書換の手続をなすため、船舶国籍証書の検認の指定期日までに検認を受けることが困難であるときは、証書記載面の所有者は

 

 

 

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