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ある(細則41条2項)。かかる告示をなす趣旨は、当該船舶国籍証書の濫用を防止し、また一般に利害関係者に周知することにある。前記の告示をなすべき場合には、管海官庁は、当該船舶国籍証書につき、船舶番号、船舶の種類、船名、証書の種類、証書番号、証書の日附、所有者の氏名(名称)、証書無効の事由を記載した書面を運輸省に提出することを要するものとされる(手続51条)。

 

第3款 船舶国籍証書の検認

1. 検認制度の制定の趣旨及び意義

船舶国籍証書に記載されている事項は、常に実質関係と一致していることを要するが、その記載事項に変更を生じた場合に書換申請を強制することのみでは、その目的を達することは困難であり、また、戦争中の混乱により、船舶原簿に登録されている船舶のうちには、すでに抹消登録をなすべきものとなっているか、あるいは変更登録をなすべきものとなっている船舶が多数存在する状況にあったので、船舶原簿の整理及び正確性の確保の目的をもって、昭和24年に船舶国籍証書の検認制度が確立されたのである(船舶法の一部を改正する法律(昭和24年法律第37号)、同年12月1日施行)。

船舶国籍証書の検認とは、管海官庁が船舶国籍証書及び船舶原簿に記載されている事項につき検査し、それらが実質関係と一致するか否かを確認することをいう。

 

2. 検認期日の指定

船舶所有者が船舶国籍証書の検認を受けるため、その証書を管海官庁に提出すべき期間は、船舶国籍証書の交付を受けた日又は船舶国籍証書につき前回の検認を受けた日から(翌日から起算する)法定の期間―総トン数100トン以上の鋼船(コンクリート船は鋼船とみなされる)にあっては4年、総トン数100トン未満の鋼船にあっては2年、木船(木鋼船を含む)にあっては1年(法5条ノ2・2項)―を経過した後から一定の期日までの間である。かかる法定期間を設定する趣旨は、運輸大臣が定める(一斉検認の告示又は細則30条ノ2の規定)検認の期日について制限を設けることにあるのであって、すなわち、船舶の滅失、沈没等の船舶国籍証書の返還事由の発生又は記載事項の変更の可能性の度合により船舶を分類して、その一定の期間中は検認を行わないものとし、船舶所有者に不当の負担を課さないよう考慮したものである。しかし、船舶所有者がその期間に関する利益を放棄して、その法定期間内に検認を申請する場合には(運航上の都合により爾前に受ける場合のごとき)、これを受理して検認を行うものとされる(昭和26年5月18日船舶局長通達舶登464号)

検認を受くべき最終日(いわゆる検認期日)の指定は、船舶国籍証書を新規に交付するとき、又は船舶国籍証書の検認を実行したときに、前記の法定期間経過後2年の期間内において、所有者の希望と事務の分散化を考慮して、管海官庁が各船舶ごとに指定するものであり(細則30条ノ2、昭和32年7月24日船舶局長通達舶登738号)、船舶国籍証書の裏面に記載することにより行う。

 

 

 

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