(イ) 証書の日附 船舶国籍証書に記載した事項の変更によりその証書を書換える場合には、新証書の日附はその作成年月日による(手続48条1項)。
損傷又は滅失により船舶国籍証書を書換又は再交付する場合には、証書の日附は旧証書の日附により、証書の欄外に「何年何月何日書換又は再交付」と朱記する(同条2項)。この場合において、旧証書の日附が不明であるときは、新証書の日附はその作成の年月日により、その下に「書換又は再交付」と朱記するのである(同条3項)。
船舶国籍証書の訂正をなす場合には、証書の日附は、旧証書の日附による(手続44条2項)。
(ウ) 交付管海官庁の記載及び押印 船舶国籍証書に記載する管海官庁名は、「何運輸局」又は「何運輸局何海運支局」とし、これに押捺する印は、当該運輸局印又は海運支局印とされる(昭和31年4月19日船舶局長通達舶登365号)。
(エ) 各欄の記載事項 船舶国籍証書の各欄に記載すべき事項は、船舶原簿の登録事項と同一であるがゆえに、原則として、船舶原簿に各事項を記載する例によってなすのである(手続45条1項、なお手続21条、22条参照)。ただし、次の事項に留意することを要する。
所有者欄には、住所及び氏名又は名称を記載するが(持分は記載しない)、共有者が多数のため、当該欄内に全部を記入することを得ない場合には(実務上3人まで記載する)、共有者中筆頭者(持分最大の者)のみを記載し、「外何人」と附記する(手続45条2項)。なお、国又は地方公共団体の所有する船舶については、その機関の所在地は記載しないが、公共団体又は地方公共団体の組合の所有する船舶については、その名称及び所在地を記載するものとされる(昭和32年5月24日船舶局通牒舶登71号)。
番号の欄には、船舶番号のみを記載し「第 号」の文字は冠しない(大正3年9月30日管船局長通達管発乾366号)。
(オ) 検認期日の指定及び検認事項の転記 船舶国籍証書の新規交付をなすときは、船舶国籍証書の裏面に記載することにより、船舶国籍証書の検認期日を指定することを要する(細則30条ノ2)。船舶国籍証書の書換又は再交付をなすときは、船舶原簿に記載された最近の検認に関する事項を転記し、当該管海官庁の印を押捺することを要する(手続56条ノ8)。転記の方法は、船舶国籍証書の裏面に所定の様式のゴム印を押し、最近の検認済の年月日及び次回に検認をなすべき年月日を当該欄に記入の上、その下部の欄に当該運輸局又は同海運支局の名称を表示した所定のゴム印を押捺するのである(昭和32年7月24日船舶局長通達舶登738号)。
(カ) 記載に使用する文字 船舶国籍証書を作成する場合において、不明の事項(登録の性質上、造船地、造船者、進水の年月以外には起り得ない)があるときは、その欄内に「不詳」と記載し、記載すべき事項がない欄内には斜線を画する(手続2条)。数量、番号(船舶番号、証書番号)、年月日及び地番号を記載するには、アラビア数字を用い(注)、また証書の文字は改変、訂正、挿入又は削除することはできない(手続3条2項及び4項)。さらに、証書には、ふりがな及び外国文字(信号符字を除く)は記入することはできない(手続45条3項)。