日本財団 図書館


(2) 代理人

登録の申請は、船舶所有者の代理人によっても、これをなすことができる(細則7条)。ここにいう代理人は、任意代理人及び法定代理人をさすものと解する(復代理人も認められる)。代理人とは、民法上代理権によって本人と対立する地位に立ち、自らの意思によって行為をなすものであり、ただその行為の法律的効果が直接本人に帰属するものである(民法99条〜118条)。したがって、代理人は、単に本人の意思表示を伝達又は完成する使者とは異なる(法人の機関が法人を代表してなす行為は、法人自体の行為とされるから、法人の代表機関は代理人と異なるものと解せられる)。しかし、船舶法上における任意代理人は、その申請の性質上実質的には使者的性格のものであろう。

 

2. 申請に要する書面

新規登録の申請は、船籍港を管轄する管海官庁に申請書を提出してこれをなすことを要する(細則17条)。

(1) 申請書

申請書は、1船舶につき1通を要し、2以上の船舶を同一の申請書により申請することはできない。申請書に記載する事項は、法定されていないが、次に掲げる事項を記載し、申請者が記名(自署は必ずしも要しない)押印若しくは署名をなすべきである。したがって、代理人により登録を申請する場合には、代理人の記名及び押印をもって足りる。なお、印鑑証明の提出は要求されない。また申請書は、必ずしも墨書することを要しないが、鉛筆等による記載は長年月の保存(申請書は、抹消登録後も5年間保存する)に適しないから、これを許さないものと解する。

(ア) 船舶の表示に関する事項

船舶の種類、船名、船籍港、船質、帆船の帆装、総トン数、機関の種類及び数、推進器の種類及び数、進水の年月等の船舶件名書又は船舶登記簿に記載されている船舶の表示に関する事項を、当該船舶の同一性を識別する事項として記載する。なお、抹消船再用の場合における進水の年月は、従前登録していたものにより、また船名は現実の名称(登録していたか否かを問わず)によるべきである。

(イ) 船舶所有者に関する事項

所有者の氏名及び住所、所有者が法人である場合にはその名称及び事務所の所在地。

(ウ) 申請者に関する事項

申請者の氏名及び住所。現実に申請者として行動する者を記載すべきであるから法人の場合はその名称、事務所の所在地及び代表者名を記載する。

(エ) 申請の理由

登録をなすべき船舶となった原因たる事実、すなわち、「船舶の新造」、「船籍票船から編入」、「何国人何某から買受」等を、申請の理由として記載する(手続25条参照)。抹消船再用の場合は、「抹消船再用」(法14条による抹消)又は「職権抹消船再用」(法5

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION