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登録規定の適用を除外されたものであるから、第三者の承諾等の有無にかかわらず抹消せらるべきものであり、不動産登記法第146条(利害関係人の承諾書等の規定。船登規則1条で準用)の規定は、当該登記の場合には準用なきものと解する(昭和15年1月18日民事局長通達民事甲76号、大正11年12月27日大阪区裁判所監督判事回答(大阪逓信局海事部長宛)参照)。

(3) 登録免許税の納付

船舶の登記の抹消登記については、国の機関である管海官庁の登記の嘱託であるから、その性質上登録免許税は課されていない。

 

3. 登記の実行

船舶の登記の抹消の登記の実行については、一般通則にしたがうほか、表題部の記載方法につき、次の特則がある。

船舶の登記の抹消の登記をなすには、登記用紙中表題部に抹消の原因を記載し、船舶の表示を朱抹し、その登記用紙を閉鎖することを要する(船登規則30条2項、不登法88条)。

なお、登記の抹消をなされた船舶が他の船舶とともに所有権以外の権利の目的となっていた場合には(たとえば共同抵当)、他の船舶の登記用紙中相当区事項欄に抹消された船舶の表示をなし、抹消の原因及びその船舶の登記の抹消をなしたことを附記し、その船舶とともに所有権以外の権利の目的たる旨を記載した登記中抹消した船舶の表示を朱抹することを要する。また、この場合に、他の船舶の船籍港が他の登記所の管轄に属するときは、遅滞なく、その登記を当該登記所に嘱託することを要し、嘱託を受けた登記所において前段(不登法89条4項)の手続をなす(船登規則30条2項、不登法89条)。

 

4. 登記完了後の管海官庁の措置

船舶の登記の嘱託を受理した登記所は、登記をなした後、嘱託書の副本に登記済の旨を記載して、当該管海官庁に還付するが、管海官庁は、これを船舶の登録に関する附属書類として5年間保存することを要する(船舶法取扱手続35条、7条参照)。なお、船舶の登記の抹消の登記は、登記権利者のために嘱託するものではないから、不動産登記法第61条(嘱託登記の場合の登記権利者に対する登記済証の交付。船登規則1条で準用)の規定は、この登記の場合には準用なきものと解する。

 

 

 

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