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旧船籍港を管轄する登記所に対してなすのである(船登規則2条、25条1項)。

(3) 申請書の添付書類

船舶の表示の変更又は更正の登記申請書に添付すべき書類は、次のとおりである。

なお、この登記申請に際して、当該船舶につき抵当権又は賃借権の登記が存するときは、従来その登記名義人の承諾書又はこれに対抗しうる裁判の謄本を添付することを要するものとされていたが、船舶登記規則の改正(昭和32年2月政令第16号)により、現在においてはその添付を要しない。

(ア) 申請書の副本 船舶の表示の変更の登記原因は、変更の原因たる事実行為それ自体であって、いわゆる登記原因を証する書面は初めから存在しないのであるから、申請書の副本を提出する。

(イ)船舶原簿の謄本又は抄本(船登規則21条ノ2) 船舶の表示の変更を証する書面として、船舶原簿の謄本又は抄本を添付する。これは、更正登記の申請の場合についても必要である。この書面は、登記原因を証する書面には該当しない。

なお、船舶法第5条ノ2第4項の規定により管海官庁において登録の職権抹消をなされた船舶(船舶登記は抹消されていないもの)につき、船舶所有者が再用のため登録申請をなし、船舶原簿に新規登録がなされた場合において、その再用登録前における修繕等により、登録事項(船籍港、総トン数など)が職権抹消当時のものと異なるときは、登録の完了後所有者の申請により、抹消当時の変更に係る旧事項を該当欄に朱記した船舶原簿謄本の交付を受け、変更登記申請書に添付するのである(昭和27年1月22日船舶局長通達舶登59号)。

(ウ) 代理人による申請の場合の代理権限を証する書面

(4) 登録免許税の納付

船舶の表示の変更又は更正の登記の登録免許税額は、船舶1隻ごとに1000円である(登録免許税法別表第1の第2号(九))。

 

3. 登記の実行

船舶の表示の変更又は更正の登記の実行については、一般通則にしたがうほか、次の特則がある。

(1) 表題部の記載方法 船舶の表示の変更の登記をなすには、登記用紙中表題部に変更後の事項を記載し、前の表示を朱抹することを要する(船登規則22条)。

(2) 管外転籍の手続 船籍港の変更の登記の場合において、新船籍港が他の登記所の管轄地であるときは、申請を受けた旧船籍港の管轄登記所は、その登記をなした後、登記用紙及び附属書類又はその謄本を新船籍港の管轄登記所に移送することを要する(船登規則25条1項、2項)。したがって、当該船舶のその後の登記関係手続は、新船籍港を管轄する登記所においてなされる。

なお、同一登記所管内における船籍港の変更の場合には、当該登記所は、その船舶の登

 

 

 

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