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? 外国船舶を承継取得した場合には、譲渡証明書及び船舶受渡証明書

? 不登簿船が登簿船となった場合 船籍票の交付を受けていた船舶の場合には、所有権を証する書面として、都道府県知事が交付する船籍簿の謄本を提出すれば足りる(造船証明書、売買契約書等の提出が困難である場合の取扱である。昭和20年5月21日民事局長回答民事特甲100号参照)。この場合において、改造等の結果総トン数20トン以上の船舶となったときは、改造等をなした者の証明書をも必要とする。また、艀等の独航機能を有しない船舶に独航機能(推進機関、帆装など)を設備することにより、総トン数20トン以上の船舶として登記及び登録を要するものとなった場合には、所有していることの証明書(造船者等の証明書)及び設備をなした者の証明書を添付すべきであろう。

不登簿船が改造等により登簿船となる場合には、改造等をなしつつある段階において、製造中の船舶と同様に抵当権の登記(船登規則32条、33条、37条)をなすことができるものと解されるが、この場合の管轄登記所は改造等を行った地の管轄登記所である(昭和25年9月22日民事局長通達民事甲2546号)。なお、不登簿船に質権が設定されていても、登簿船として保存登記がなされた場合には、その質権は消滅するのである(昭和20年5月21日民事局長回答民事特甲100号)。

? 沈没により登記及び登録が抹消された船舶(法14条、船登規則30条参照)を引揚げて再用する場合には、所有していることの証明書及び改装等を行った者の証明書を添付すべきであろう。

(エ) 会社その他法人の登記簿の謄本又は抄本(船登規則19条1項)

申請書に記載した会社その他法人の社員、無限責任社員、取締役、その他法人の代表者として記載された者が資格を有し、また記載された者がその全員であることを証する書面として添付する。なお、この謄本又は抄本は、作成後3月以内のものに限られる(船登手続14条ノ4)。もっとも、登記を申請する登記所とその法人登記がなされている登記所とが同一であるときは、その謄本又は抄本の添付を要しない(注)(船登規則19条2項)。

(注) 本書面は、代理権限証書を兼ねているので、法務大臣の指定する登記所(東京、名古屋、大阪法務局及び横浜、京都、神戸地方法務局)では添付を必要とする(船登手続24条、不登規則44条ノ8)。

(オ) 日本人証明(船登規則18条、19条1項)

所有者 ―所有者が会社等の法人である場合には、船舶法第1条第3号又は第4号に掲げる社員等の全員― が日本人であることを証する書面(住民票の謄本又は抄本、戸籍簿の謄本又は抄本など)を添付(注)する。(エ)の書面及びかかる書面の提出を要求する趣旨は、当該船舶が船舶法第1条に規定する日本船舶であることを確認することにある。また、株式会社である場合は、会社謄本又は抄本に掲げる取締役と、日本人証明書が同一である旨の代表取締役が疎明した書面が必要となる(昭和38年5月30日民事甲1574号民事局長通達)。

(注) 船登規則19条1項で添付する日本人証明書は3ヵ月以内のものに限られる(船登手続14条ノ4)。

 

 

 

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