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紙及び附属書類又はその謄本を乙登記所に移送することを要する(船登規則1条、不登法10条)。

(2) 登記事務の停止

登記は、私権に影響するところ大であるから、みだりにその事務を停止すべきではないが、登記所の火災、震災、水難等のため、その事務を停止せざるを得ない事故が生じたときに限り、法務大臣が期間を定めて停止を命ずることができるものとされる(船登規則1条、不登法11条。官報により告示される)。

 

2. 登記官

登記所における登記事務は、法務局若しくは地方法務局又はその支局若しくは出張所に勤務する法務事務官であって、法務局または地方法務局の長により指定された者が取扱う(船登規則1条、不登法12条)。これが登記官である。

なお、登記事務の性質上、当該事務の公平厳正を図り、登記制度の信用を維持するため、登記官の除斥に関する規定が設けられている(船登規則1条、不登法13条参照)。

 

3. 船舶登記に関する帳簿

(1) 帳簿の種類

登記所には、その物的設備として登記に必要な帳簿が備付けられる。すなわち、船舶登記簿、受附帳(船登規則1条、不登法47条、船登手続6条)、申請書編綴簿(船登規則1条、不登法19条、72条、74条、船登手続11条)、閉鎖登記簿(船登規則1条、不登法24条ノ2、船登手続5条ノ3、11条)その他附属帳簿として共同担保目録綴込帳、信託原簿綴込帳、申請書類綴込帳、決定原本綴込帳、審査請求書類等綴込帳、本登記済証交付帳、船舶登記済通知簿、各種通知簿がある(船登手続11条、11条ノ7参照)。

(2) 船舶登記簿

船舶登記簿は、船舶に関する権利関係を記載する登記用紙を編綴した帳簿であり、登記に関する帳簿の主体をなすものである(注)(船登手続1条1項参照)。前述のその他の帳簿は、すべて補助帳簿である。

(ア) 登記用紙の編成

登記用紙とは、1隻の船舶についての登記をなした1団の紙葉をいうのであり(船登規則5条)、いわゆる物的編成主義をとっている。1登記用紙は、表題部、甲区、乙区、丙区の4部からなる(船登規則6条1項)。

表題部は、船舶の表示(目的船舶の同一性を表示するものであり、申請書受附の年月日、登記の目的その他申請書に掲げる船舶の表示に関するものをいう)及びその変更に関する事項を記載する。

甲区、乙区、丙区は、事項欄と順位番号欄に分けられ、甲区事項欄には所有権に関する事項を記載し(船登規則6条3項)、乙区事項欄には抵当権及び賃借権に関する事項を記載し(同条4項)、丙区事項欄には船舶管理人に関する事項を記載し(同条5項)、順位番

 

 

 

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