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第1章 序説

 

第1節 船舶法の意義及び沿革

 

第1款 船舶法の意義

船舶法は、船舶の国籍、船舶の総トン数その他の登録に関する事項及び船舶の航行に関する行政上の取締等を定めた法律である。

(1) 船舶が水上、特に海上を航行する場合には、海上の特殊の危険を伴うばかりでなく、船舶に対しては国家的監督が自由に及ばないから、国家は人命及び財産の安全を図り、船舶に関する秩序を維持するため、海上を航行する船舶について各種の公法規定を設ける必要がある。これが海事公法であって、海上輸送の発展とともに、現今においては多数の法令がある(注)。船舶法もまたこの要請に応ずるものである。

 

(注) 海事公法は、海事法規の一種である。海事法規とは、海事、すなわち、船舶の海上航行に直接関連する法律関係についての法規をいう。現在における海事公法の主要なものとしては、

1 船舶法(明冶32年法律第46号)

2 船舶のトン数の測度に関する法律(昭和55年法律40号)

3 船舶安全法(昭和8年法律11号)

4 海上衝突予防法(昭和52年法律第62号(昭和28年法律第151号(海上衝突予防法)を全文改正)

5 港則法(昭和23年法律174号)

6 航路標識法(昭和24年法律第99号)

7 水路業務法(昭和25年法律第102号)

8 水難救護法(明治32年法律第95号)

9 船員法(昭和22年法律第100号)

10 船舶職員法(昭和26年法律第149号)

11 水先法(昭和24年法律第121号)

12 海難審判法(昭和22年法律第135号)

13 検疫法(昭和26年法律第201号)

14 関税法(昭和29年法律第61号)

15 とん税法(昭和32年法律第37号)

16 海上運送法(昭和24年法律第187号)

17 港湾運送事業法(昭和26年法律第161号)

18 内航海運業法(昭和27年法律第151号)

19 海上交通安全法(昭和47年法律第115号)

20 漁船法(昭和25年法律第178号)

以上のような法律及びこれらに基づく命令がある。

 

 

 

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