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*このセクションは、「石油ターミナル及び石油タンカー環境監視法令1990」として喚起される。

1989年3月24日にPrince William Soundで11,000,000ガロンの石油を石油タンカーから流出したEXXON VALDEZ事故は、Valdezターミナル操縦監視とPrince William Soundにおける船舶交通監視に責任のあった産業及び政府職員の自己満足に原因の一つがあったという指摘が多い。この自己満足を防ぐためには、地域住民を石油流出事故対策の実施過程に参加させ、対立を合意に変えて信頼を得ることが必要である。

石油ターミナル施設の所有者及び責任者から指名された者、石油タンカーの所有者及び責任者から指名された者、アラスカ州知事から指名されたアラスカ州職員、大統領から指名された連邦政府職員、以上の4名からなる「石油ターミナル及び石油タンカー運営協会」を設置し、協会は石油ターミナルと石油タンカーの運営政策を検討する。

投票権のあるメンバー(任期3年)と投票権のないメンバーからなる、「地域住民助言評議会」を設置し、評議会は独自に委員長やスタッフを選び、政策を決定することができる。評議会は、Trans-Alaska Pipeline Systemが運営されている期間中続行される。評議会は、石油ターミナルと石油タンカー運営に関連する政策・許可・規制に関する提言を行い、石油ターミナルと石油タンカーの監視を行う。

ターミナル施設と石油タンカーの運営が環境に与える影響を監視するために、評議会のメンバー・住民・科学専門家からなる、「ターミナル・石油タンカー運営及び監視委員会」を設置する。委員会は、評議会にターミナル施設と石油タンカーの運営が環境に与える影響を早期に報告し、監視計画を検討して評議会に提言する。

石油の流出を阻止あるいは除去し、その影響を軽減するために、評議会のメンバー・住民・技術専門家からなる、「石油流出阻止・安全確保・緊急対応委員会」を設置する。委員会は、定期的に石油流出阻止計画を再検討し、定期訓練を監視し、石油タンカーの安全な航行とターミナル施設の運営を確実にするために港の組織・運営等を再検討する。

 

*運輸省長官は、Prince William SoundのBligh Reefの位置を警告するために充分な明るさと高さのある自動航海用灯台を設置なければならない。

*運輸省長官は、必要な付加設備・職員・規則をPrince Willian Soundに設置しなければならない。

*船舶・施設対応計画は下記のことを定めている。

(1)石油流出阻止・除去設備の地域への提供。

(2)石油除去組織の設置。

(3)地域住民への石油除去技術訓練の実施。

(4)年に最低2回の設備・職員の能力検査の実施。

(5)設備の定期検査の実施。

 

 

 

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