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1990年Oil Polution Actを構成するタイトルは次の通りである。

タイトル ? 石油汚染責任負担及び損害賠償

タイトル ? 準拠修正案

タイトル ? 国際石油汚染防止及び除去

タイトル ? 防止及び除去

タイトル ? プリンス・ウィリアム海峡条項

タイトル ? その他

タイトル ? 石油汚染研究・開発プログラム

タイトル ? アラスカ横断パイプラインシステム

タイトル ? 石油流出責任負担信託基金の修正案

 

(2)主要法定事項

以下に本法律の主要規定事項を概説する。

イ)連邦政府の役割の強化・明確化

“Exxon Valdez号”事故に際しての対応の問題点の一つに油漏洩事故に際して、連邦政府の役割が必ずしも明確でなかったことがあげられた。この法律では、事故に際しての大統領(連邦政府)の指揮・命令権限を明確化した。

大統領は、油又は有害物質の放出による危害の防止または被害拡大の防止の責務を明文化され、大規模な漏出事故に際しての連邦・州・民間企業の対応策を指揮する権限を明確に付与された。

 

ロ)緊急時対応計画

(Contingency Plan-タイトル?-B)

“Exxon Valdez号”事故に際して最も非難されたことの一つが、多くの主体によって策定された緊急時応答計画の整合が図られておらず、指揮命令系統の乱れを生じたことである。

本法では、国家レベルから個別のタンカーや一定の施設に対してまで、一定の要求を満たす流出対応計画の策定を義務化している。

連邦レベルで“National Contingency Plan”を策定し、これと整合性を執りつつ各地域レベルで、州政府その他の地方機関も加わった。“Areacontingency Plan”が制定される。この二つの“Contingency Plan”を踏まえ、タンカー・沖合施設等においては“Response Plan"を作成することとされている。

なお、“Response Plan"においては、最悪ケースの漏洩事故(Worst Case Discharge)にも対応できる実行可能なかぎり最大限の(to the maximum extent practicable)人員及び装備を契約その他で準備することとされた。これが後述のMSRCその他のクリーンアップ・コントラクターと民間企業の契約の裏付けの重要な要素となっている。

 

 

 

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