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Lee & Levy(1987)は、Inipolの窒素は、砂が洗い流されることで濃度が急速に下がり、生分解を促進させる効果はない、としている。Safferman(1991)やBragg et al.(1994)も、油汚染された海岸線の潮間の窒素濃度を高められるかどうかに、バイオレメディエーションの成功がかかってくることを証明した。

この実験では、Inipol EAP22は、砂中に長期間とどまり、油の生分解は41日間にわたってみられた。

このことから、水平方向の海動(波エネルギー)、表面・表面下物質の流出、降雨が、砂中のInipol EAP22の耐久時間および生分解効果に大きな影響を及ぼすことが予想される。

また、この実験では水平方向の波動がなかったことが、海動によって栄養塩の溶解が促進されるMax Bacのカラームで効果があらわれなかった理由であるとも考えられる。

 

エ. 「油汚染沈澱物(細粒子)のバイオレメディエーション実験」[8]

細粒子の沈澱物を平坦な泥地から収集し、ラボでバイオレメディエーションによる浄化の可能性を探る実験を行った。

縦潮サイクル(速度、期間はフィールドで調査する)をシミュレーションする装置で、アラビアンライト原油(風化、乳化済み)の生分解がどう進むか、3つのバイオレメディエーション商品の効果を比較した。

毎週、硝酸ナトリウムとpotassium hydrogen orthophosphate(水酸化カリウムオルトリン酸)を加えたものがもっとも高い効果を示した。この方法では、微生物の呼吸率(respiration rates)が非常に高められており、chemoheterotrophs(学従属栄養体)の総数と、炭化水素分解体の総数が増加していた。その結果、脂肪族と芳香族の分解が、かなり進んだことから、細粒子の沈澱物へのバイオレメディエーションの使用が、今後考えられる。

{資料はabstractのみ}

 

オ. US-EPAのGl,G2,G3バイオレメディエーション、実験的浄化査定方法[9]

生分解技術の査定法を決定するためのテストが、sheltered beachで行われた。

油の化学物質を用いて生分解率をモニターする方法が用いられ、統計的に生分解率と程度を測定したところ、栄養塩使用による生分解率の上昇がみられた。

エクソンのBraggにより、バイオレメディエーション率を油の化学分析で決定した率が発表された。(1990年夏のPrince Willian Soundモニタリングプログラムのデータより。)ここではhopaneを生分解カミ起こったかどうかの査定の標準に使っている。3年間hopane度を調べ続けたところ、ほとんど分解されていなかった。従来の標準であるpristaneとphytaneは分解されていた。

成功した結果は、栄養塩の浜の3〜5倍の分解率で、各油成分の生分解率を調べると、それよりも高い生分解率のものもあった。生分解率に影響を及ぼすのは、一定期間の窒素量と、平時の生分解率、油の風化である。数回の回帰分

 

 

 

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