ラビアンライト原油によって生育する有機体の数を予測するのに6つのサンプル地点で3回にわたり使われた。Marine broth(Difco)の生育を調べた。統計には、油の化学分析を用いた。
[結果]
・二酸化炭素の排出
コントロールは、油を加えて5日間で二酸化炭素排出量は11倍になり、その後は一定量であった。
Max Bacを加えたものは、15日目までは同様の結果であったが、その後コントロールよりもやや高い排出量をみた。
親油性栄養塩Inipol EAP22を加えたものは、3日後に二酸化炭素排出量が劇的に増加し、5日目にピークを迎え、その後は減少したが、それでも他の2者と比較して、実験終了まで高位の排出量(コントロールの約2倍)が記録された。
・微生物数
どのカラームも、油を流入後、その日のうちに化学従属体生物(H)と油分解生物(0)の総数が急増した。5日目には、コントロールとMax Bacのカラームはほぼ同数で、その後は、砂lgあたり化学従属栄養体が5×107、油分解生物が2.5×107で横並びになった。
Max Bacの方がコントロールよりもやや数値が高かったが、この値は、両カラームとも実験が終わるまで続いた。
Inipolを使用したカラームでは、5日目までに、化学従属栄養体、油分解生物ともに、ピークを迎え、8×108g-1を記録した。ピーク時は二酸化炭素排出量のピークとも同時期であった。その後、化学従属栄養体、油分解生物とも減少し、実験の終わりにはそれぞれ2.5×108g-1、108g-1を記録した。
Jones(1979)による統計法を使って観察したところ、コントロールとMax Bacの間には微生物量に差はほとんどみられなかったが、Inipolでは、3日から5日目に、特に炭化水素分解微生物量に大きな差がみられた。この差は日数が進むにつれて小さくなっていった。
・栄養塩分析
Max Bacのカラームでは、窒素濃度は変化していなかった。つまり、Max Bacに含まれる窒素は、溶解後、即座に微生物に取り込まれたのか、あるいは溶解しなかったと考えられる。
一方、Inipolのカラームでは、窒素濃度は5日目にピークを迎えたため、汚染地域の窒素を増やす効果が確認できた。
・化学分析
phytane:C18を指標に使ったところ、Inipol EAP22を使用した場合にも