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たとの結果が報告されている(Lee and Levy,1987、Sveum and Ladousse,1989、Safferman,1991)ので、これをアラスカ、エクソン・ヴァルデス号事件や、それ以前のフィールド実験での結果を確認するために実験を行った。

バイオレメディエーション技術の運用面に焦点を当てて、interdidal(潮間)の砂地へのアラビアンライト原油(風化)の流出(3.7kgm-2)を、実験室でシミュレートした。respirometry呼吸測定法)と化学分析、微生物分析で、Max Bac(Customblenと成分的に似ている。SRF)と、Inipol EAP22の生分解効果の比較を行った。

 

実験方法

長さ30cmの箱に、カナダ・ノヴァスコチア海浜の石英砂を入れ、イギリスに4℃で輸送した。到着後、ふるいにかけ、合成海水(商品名Instant Ocean, Aquarium Systems lnc.社)で洗い、3本のカラーム(ガラス製、高さ0.32m、内径0.1m)に入れた(砂の重さは約1.3kg)。カラームは、平衡させて14回の潮循環を経た後、油と栄養塩を加える。peristaltic pumps(ぜん動運動ポンプ)が、潮循環をシミュレートするのに使われた。(最高速度0.33m.h-1で、これはサンプル集取地点の最高潮にそろえてある。)砂の表面にアラビアンライト原油を3.7kg.m-2(自然風化で、重量が25%減少し、海水と25%乳化した後のもの)流した。各カラームに、窒素73g.m-2を入れるために、油を入れて時間後、第1のcoreには、Inipol EAP22を984g.m-2加え、第2のcoreにはMax Bacを266g.m-2入れた。第3のカラームは油のみで、栄養塩は加えなかった。水温は21℃(誤差2℃)にした。

 

サンプリング

過去の実験結果から、油は不均等に砂に染み込むことがわかっている。もっとも均等に油が染み込むのは、カラームの端から0.01mに位置する円の円周の部分(幅0.02m)であった。そのため、その外側部分と、中心部分(直径0.04m)は、サンプルとして用いなかった。偏りを生じさせないために、円周部分に18カ所候補地点をもうけ、ランダムに3地点から毎日サンプルをとった。収集は5mlのGoring device(直径0.01m)を使って行い、最初のサンプルは、油流入後1時間後に行った。

 

モニタリング

二酸化炭素発生量を毎日測り、呼吸率を査定した。分析前に、各カラームの上部に5分間soda-lime(石灰ソーダ)を浸透させた空気を流し込み、カラーム上部の二酸化炭素レベルを周辺と平衡させた。使用後、この空気は、Infra Red Gas Analyzerを通して再利用し、二酸化炭素濃度の読解は、5分刻みに行われた。二酸化炭素発生率は、線形回帰分析で計算した。呼吸率は潮流に影響を受けるため、読解は、高潮のあと1時間後に行った。

MPN(Most probable number)決定法は、化学従属栄養体微生物の総数と、ア

 

 

 

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