であるが、無機窒素は海洋生物に毒性を持つことが多い。Tier 3では、甲殻類動物や魚を使って、7日間の毒性テストを2度にわたって行う。このテストでは、生存力、生育力、繁殖力が調べられる。CBAの毒性は、CBA単独の場合と、渦中の水溶性で毒性を持つ成分と一緒になった場合とが査定される。
a. 実験方法(tier 3テストシステム[5])
テストシステムは、水面の油膜の下で海水をかき混ぜ、現実のフィールドと同様にCBA中の微生物や栄養塩を移動させる。実験期間は7日間で、排水を2つに分け、残存油の分析と、毒性テストを行う。油膜はテストの最後に分析する。生物界面剤の生成などにより、多量の油が油膜面からwater columnに動いていることが確認されたら、第二のテストで、運ばれた油の生分解を査定する。
システムには、砂浜の底質をつくり、海水中に生息する微生物を移植し、1週間おく。システムでは、潮の満干がシミュレートされる。水面に油を入れ、2日後、CBAその他のバイオレメディエーションを行う。この海浜のテストは、28日間行われ、残存油の分析がなされる。排水も、残存油の分析と、毒性が調べられる。
プロトコールのTier 3を定めるために、open-waterと、海浜の環境パラメータが選ばれた。油は、厚さ0.5mmで、乱流は一定にし、水温はセ氏20℃に設定する。油は人口的に風化させ、蒸発成分をとばしておく。メキシコ湾の海水(塩度30ppm)を炭化水素分解微生物源として用いる。
1)油のみのコントロール、2)油とCBAの2つを用意する。Tier 3におけるバイオレメディエーションの評価基準は、統計的な油量の減少(p≦0.05)、ガスクロマトグラフ・マススペクトロメトリー(GC/MS)分析による、1)と2)の排水の比較によってなされる。補足的に、環境パラメータ(塩度、水温、乱流、時間、CBA量)を調べることで、より地域別に細分化したCBAの効果が確認できる。
b. 結果
7日目までに油分の生分解がもっとも進んだ。各ケースごとに一番効果の上がる量が異なる。毒性は少なかった。短所として、微生物製剤、栄養塩が水等に溶解してしまうことがあげられた。
[テストシステムの有効性]
positive controlsとして、1)メキシコ湾の海水、2)栄養塩を加えた海水(自然の微生物の生分解力を、栄養塩によって高める効果をテストするため)3)栄養塩を加えた海水に、毎日、炭化水素分解バクテリアを加えたものの3条件をテストした。
残存油率を、コントロールと比較して、open-waterテストシステムでのpositive control有効性を検討した。
GC/MSで、コントロールと比較して総計70の成分の分析を行った結果、相