2.5 ノヴァスコチア1990年実験[6]
実験時期:1990年6月より12月
a. 実験の概要
水溶性無機栄養塩(ammonium nitrate and triple superphosphate)と遅効性栄養塩(以下SRF記述。ここではsulfur-coated urea)を使用し、沈澱物浄化効果をテストした。効果の測定には、微生物分析、科学分析、栄養塩濃度などが調べられた。
b. 結果
評価の結果、水温が15℃以上のときはgranular SRF(sulfur-coated ureaなど)や15℃下のときは水溶性無機栄養塩(ammonium nitrateなど)を使用することが良いとされた。
2.6 ノヴァスコチア1992年実験
(1)93年報告[7]
実験時期:1992年8月より1993年7月(333日間)
a. 実験の概要
エクソン・ヴァルデス号事件後の大規模なフィールド実験でバイオレメディエーション技術の評価がなされ、非適用時の5倍以上の生分解率がみられた。この時点では、バイオレメディエーション製品の開発・技術の高度化に注目が集まっている。
カナダ漁業海洋庁によるこれまでのフィールド実験から、農業用栄養塩の単独使用により、沿岸の沈澱物中の油生分解を促進できることが確認されている。(87、89、91、93のOil Spill Conference Proceedings参照)これまでの結論は、農業用栄養塩の方が親油性栄養塩や、微生物製剤などよりも優れていると判断されている。
無機栄養塩(ammonium nitrate and triple superphosphate)と有機栄養塩(fishbone meal)を用い、両栄養塩のVenture condensate(濃縮)の生分解促進効果を、フィールド実験で333日間にわたって比較した(Venture condensateとは、Scotian Shelfの開発油田から取り出した油。低分子量炭化水素成分を多く含む、低粘性、高揮発性。Scotian Shelf Condensate=Venture condensateである)。
分析方法は微生物分析、化学分析を用いた。
b. 結果
栄養塩に含まれる窒素・リンの濃度を一定にしたところ、有機栄養塩の方がバ