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6.2 流出油処理効果シミュレーションモデル

 

6.2.1 目的

 

「海洋微生物による流出油処理に関する調査研究」の最終目標は、シミュレーションによるバイオレメディエーションを用いた海浜の流出油処理対策のフィージビリティ・スタディ(FS)である。

本来であれば、フラスコ試験、カラム試験、水槽試験、フィールド試験と順次スケールアップしてその効果や安全性などを確認するのが望ましいと考えられる。しかしながら、我が国では海浜に実際に原油などを流してフィールド試験ができないために、現状ではフラスコ試験、カラム試験、水槽試験のレベルに留まらざるを得ない。

そこでシミュレーションモデルを構築して、海浜におけるバイオレメディエーションの費用対効果を推計しようとするものである。

 

6.2.2 シミュレーションモデルの基本的考え方とアウトプット

 

(1)基本的考え方

海浜に漂着した流出油(本研究では、アラビアン・ライト原油のみを対象とする)をバイオレメディエーションによって処理する場合の効果(原油の分解率)を自然浄化に委ねた場合と比較する。また、安全性の視点から菌密度と栄養塩濃度を推計する。さらに、バイオレメディエーションの費用を概略推計して、費用対効果を推計する。

フラスコ試験などの結果から、バイオレメディエーションの効果に影響を与えるファクターは、初期の原油濃度、栄養塩(窒素)の投入量及び海水温度であることが明らかになっている。

 

【シミュレート区分】

・自然浄化に委ねた場合

・バイオレメディエーションを行った場合(栄養塩のみを散布)

・栄養塩の一括投入

・栄養塩の間欠投入

 

【バイオレメディエーションのコスト推計区分】

・入力での散布

・海上からの船での散布

・航空機での散布

・上記の組合せ

 

 

 

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