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3.4.2 窒素源種及び濃度による影響

 

(1)方法

a. 装置および試験方法

窒素源種への依存性試験は、バッフル付きの三角フラスコ(100mL容)にて実施する。それぞれのフラスコには、加熱風化原油100mg(培地中最終濃度として2,000ppm)、培地としてリン酸(リンとして45.6ppm)、鉄(クエン酸鉄n水和塩として20ppm)を含み、100mMのHEPESにてpH=7.8に緩衝した人工海水を47mL投入し、それぞれの窒素源原液(培地中での最終窒素濃度が132ppmまたは13.2ppmになるように調製したもの)1mL、原油分解菌を原油で前培養し菌密度が108(CFU/mL)のオーダーになった菌液2mLを加える。それぞれの三角フラスコは、20℃に設定したロータリーシェーカー(100rpm)にて所定期間培養し、各分析に供する。

 

b. 菌密度の計数

所定の期間経過後、各試料の培養を停止し、培養液1mLを抜き取り段階希釈-寒天平板法によって菌密度の計数を行う。寒天平板はMarine Agar(Difco,USA)を指示通りに準備して作製する。なお、不法によって得ることのできる菌密度はコロニー形成菌密度(CFU/mL)である。

 

c. 残留油分の抽出および分析

菌密度計数用試料を抜き取った後の培養液に、50mLのクロロホルムを加え残留油分を抽出する。油層/固形物層/水層の分離は遠心分離器を用い、油層のみを取り出しクロロホルムを減圧蒸発させることによって残留油試料を得る。なお、培養液のクロロホルム抽出は同様の操作を2度繰り返し、両方の油層を合わせたものを試料とする。

クロロホルムを除去した後の試料は、秤量し次いで薄層クロマトグラフィー水素炎検出器(TLC/FID法、イアトロスキャンTh-10 TLC Mark V型、ヤトロン研究所)による画分分析に供する。なお、今回の試験では、原油の主な構成画分である飽和画分(S画分)、および芳香族画分(A画分)の2画分に着目する。

 

d. 栄養塩濃度

原油をクロロホルム抽出後の培地(水層中)の栄養塩濃度を分析する。

 

 

 

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