c. 栄養塩の散布方法の検討のためのシミュレーションについて
US-EPAは、シンシナティ大学と共同で、海浜において、散布した栄養塩の挙動を調べるための試験を行っている。これは、バイオレメディエーションの効果は、まいた栄養塩が十分に微生物に与えられるかどうかで左右されるという点に基づく。水槽は、長さ10m×幅1m×高さ2mであり、造波装置、消波装置を備えている。
d. まとめ
?米国は、油流出現場に存在する微生物に栄養塩を与えて活性化させ、流出油を効果的に処理する方法を考えているが、日本では、微生物に着目し、微生物の石油分解機能のアップを行い、これと栄養塩を加えて、流出油を処理する方法を検討する点が米国とは異なる(図2-3-2)。
?試験条件が異なるため、単純な比較は行いにくいが、これまでのデータから見ると、例えば米国の栄養塩を散布する方法の場合、芳香族画分を30日間で約25%処理できるが、日本の石油分解微生物の機能を高める方法だと芳香族画分を30日間で約30〜40%分解できる。