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り、効果が出るかどうかを確認する。

 

上記の手順の内、基本段階、第1段階、第2段階は完成している。第3段階は、効果については、完成済である。毒性については、基準値を作るための予備試験段階であり、試験方法について1つの案が完成している。第4段階は、これまでのフィールド試験から完成していると考えられる(ただし、第4段階の試験にはコストがかかるため、実際には適用しにくいのではないかというUS-EPAのコメントがあった)。

 

(参考) 米国でのバイオレメディエーションにおけるUS-EPA等の役割について

 

米国でのバイオレメディエーションは、Exxon Valdez号事故以外にも、各地の油流出で適用されている。陸地での油流出への適用などは、よく行われている。海洋や沿岸での油汚染は、米国沿岸警備隊が責任のある意思決定機関であり、中でも連邦の現地(on-scene)コーディネーター(FOSC)と呼ばれる人がその責任者である。内陸の油流出では、意思決定機関は沿岸警備隊ではなくUS-EPAである。FOSCには、ある特定の事故に対してどの技術が最も適しているか、彼の得られうる知識の中から、油流出現場の状況、地形、天気、栄養塩の遍在状況などの情報に基づき決定する責任がある。流出側はFOSCと緊密に作業を進めるが、最終決定はFOSCによる。

現時点では、油流出へのバイオレメディエーション製品の使用が検討されるためには、バイオレメディエーション製品(民間会社が製造)は、まず全米不測事態計画(NCP)製品スケジュール(National Contingency Plan Product Schedule)に載せられる必要がある。そのためには、ラボでのスクリーニング・プロトコールによって定義された、各製品独立のテストが必要条件となる。ある製品がプロトコール・テストを通過すれば、NCPの製品スケジュールに載せられる。

FOSCはこのスケジュール上の製品を使用するとの決定を下すことができるが、ここに載っているからといって使わなければならないなどの義務はない。

米国においてバイオレメディエーションが、実際に使える選択肢の一つとみなされているのは、科学的に安心できる技術的情報が文献に存在し、バイオレメディエーションの使用を支持しているからである。

Exxon Valdez号事故におけるUS-EPAの役割は、バイオレメディエーションの効果の調査などの形での技術援助の提供者であった。US-EPAはExxon社、アラスカ州との協力的合意で、バイオレメディエーションに関する調査(1989年、90年に海浜で行われた)への資金提供を行った。この調査で得られた情報は、FOSCに提供され、バイオレメディエーションの適用を、Exxon社の出資で行うかどうかの決断は、FOSCが行った。

 

 

 

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