日本財団 図書館


になっているが、企業が採用を決定した浄化方法の適用にあたっては、油流出現場コーディネーター(沿岸警備隊)の許可が必要である。コーディネーターはUS-EPA等の関係機関の承認を求める。また、使用する栄養塩、使用時期等についても企業側にまかされているが、環境に優しく効果があると証明された栄養塩である必要がある。US-EPAとしては、バイオレメディエーションの実施に当たって必要となる栄養塩の評価手順を作成することであり、この評価手順による実際の栄養塩の評価は企業等が行う。

US-EPAがExxon Valdez号事故において主要な役割を果たしたのは、従来バイオレメディエーションに関する調査研究を中心的に行っており、この事故でバイオレメディエーションが更に広く認められる良い機会と考えたからである。

NETACは、Exxon Valdez号事故を契機に、US-EPAの協力を得て市場に出ているCBAの評価のための評価マニュアルを作成し、1993年7月に発表した(現在は、US-EPA National Risk Management Research Laboratoryに移管されている。また、現在のところ更新の予定は無い)。

評価は、5段階評価であり(基本段階から第4段階)、段階を追うに従って、より実際の使用に耐えることが証明される。

 

基本段階:商品の成分情報確認段階であり、安全性に関する基本的情報(商品の製造方法、商品に含まれる化学・生物物質が規制値をクリアしているかどうか)を確認する。

 

第1段階:フィージビリテイ・アセスメント段階であり、油汚染に適用した場合の効果と安全性を、商品製造元からの情報(使用方法や使用量、効果、安全基準クリアの証明、製造可能性、過去の使用例等)に基づき検討する。

 

第2段階:実験室レベルでの評価段階であり、風化原油(実際の流出油は浄化段階で風化しているため)を使用し、CBAによる生分解促進効果を、フラスコ試験により確認(コントロールと比較)する。また、商品自体及び商品が風化原油と混合した場合の有害性をラボの生物検定で確認する。

 

第3段階:実際の環境を想定したラボ試験段階であり、open water(洋上)及び海浜での状況をシミュレートする2つのラボ試験により、効果と毒性を確認する。毒性確認試験は、甲殻類動物や魚を使用して7日間の毒性テストを2度行う。このテストの評価項目は、生存力、生育力、繁殖力である。

 

第4段階:限定的フィールド試験段階であり、実際に油を流して、第2段階、第3段階の試験結果が自然環境下でのクリーンアップにあてはま

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION