2.3.2 米国出張報告の概要
1995年11月12日から11月20日の間、米国のバイオレメディエーションの研究開発の現状と動向に関し、海外調査を行った結果の概要は、以下の通りである。
?バイオレメディエーションを適用する地形と効果的な栄養塩の種類・量・散布頻度
?安全性評価の考え方
?安全性を加味した効果的なバイオレメディエーションの考え方
(2)成果の概要
米国では、栄養塩(窒素、リン)に注目し、油流出現場に存在する微生物に栄養塩を与えて活性化させ、流出油を効果的に処理する方法を実験室及びフィールド試験で検証している。NETAC(National Environmental Technology Applications Center:全米環境技術応用センター)は、US-EPA(米国環境保護庁)の協力の下、バイオレメディエーション製品(栄養塩、及び微生物製剤、以下CBAと称す)の評価手順を効果と毒性の観点から作成した(毒性の試験は日本でも可能)。ただし、毒性評価については、これまでの成果を踏まえ、今後さらに継続して基準を作成するための研究を継続する予定である。
また、ビジネスという点では、土壌、地下水の浄化にシフトしつつある。
a. バイオレメディエーション商品(栄養塩、微生物製剤)の評価手順について
米国では、バイオレメディエーションは既に実用化段階にあり(実用可能なのは、効果が示されているからである)、従って栄養塩の評価に重点が置かれている。栄養塩が自由に使用できる理由は、?現場の微生物を使用する、?栄養塩が販売されているためであり、アラスカでもバイオレメディエーションが可能となった。また、フィールド実験も可能である。
流出油の回収は、事故を起こした企業の責任であり、事故当事者・企業の責任・裁量において浄化方法(バイオレメディエーションを含む)を決めること