したプロットの方が油量が少なくなっていた。
玉石はInipol EAP 22/Customblenで著しく浄化されたが、砂浜・砂利浜では、あまり効果がなかった。一方、水溶性栄養塩の場合、砂浜・砂利浜でも効果を示した。
試験の結果、統計的に効果が確認できなかったとはいえ、環境に副作用はなく、視覚的効果が高かったので、連邦政府はバイオレメディエーションの広範囲の使用に許可を出した。
(注)Pritchard(US-EPA)は、Inipol EAP 22/Customblenよりも水溶性栄養塩の方が浄化効果が高かったとしている。水溶性栄養塩はコントロールの2〜3倍の油減少率がみられたが、Inipol EAP 22/Customblenはコントロールと比較し、視覚的効果はあったものの、統計的には油減少率に大きな違いがなかった。
(3)Exxon社の試験
1989年夏の調査の目的は、1)油汚染を受けた海浜での自然生分解率を調べること、2)栄養塩の使用で生分解率が高められ、大規模に使用する正当性があるかどうか調べること、3)栄養塩を大規模に使用する方法を開発すること、4)環境へのリスク評価とモニタリングの方法の整備、5)海浜表面下で栄養塩がどのように運ばれるのかを調べることであった。
US-EPAは、予備試験で各種栄養塩の効果の評価と、浄化方法の開発にあたった。Exxon社は、ラボ・スクリーニングを行い、US-EPAのフィールド試験をサポートした。
a. 試験の概要
このラボ試験では、?Prince William Soundに生息する微生物がPrudhoe Bay原油を分解することができるか、?海岸線に栄養塩をまいた場合、生分解はどの程度促進されるのかを調べた。栄養塩は、親油性、緩効性、水溶性栄養塩の中から、Inipol EAP 22とCustomblenが選ばれた。
b. 結果
?Prince William Soundの海水、海浜土などに生息する微生物をPrudhoe Bay原油に含まれる炭化水素で培養し、同時に栄養塩濃度を測定したところ、現地の微生物が炭化水素を分解することと、窒素とリンが不足していることがわかった。
?フラスコ試験では、栄養塩をまくことで生分解が促進されることを確認した。
(4)実際の適用(1989年8月〜)