用されるのが望ましい。
以上の条件にあうのは、Inipol EAP 22が唯一、市場で手にはいる親油性栄養塩であった。Inipol EAP 22はラボ・大規模フィールドテスト(さまざまな環境において)ともに成果を出していた。ノルウェイ、スピッツベルゲンの砂利浜試験は成功したが、in situ enclosuresを使用したカナダ、ノヴァスコチア試験では、農業用栄養塩に勝る成果はみられていない。
US-EPAのラボ試験では、Inipol EAP 22を油汚染を受けた海浜に適用した後、数分後に尿素とリンの50〜60%が溶解し、その後はゆっくり3週間で溶解した。
Inipol EAP 22はPrince William Soundにbackpack sprayerで油汚染物質を薄く覆うようにまかれた。
?水溶性栄養塩
特に地中の油汚染浄化に期待が集まる方法である。Ammonium nitrateとtriplephosphateを芝生用スプリンクラーでまいた。
バイオレメディエーションは、汚染程度がひどい地域は(機械的浄化後の)2次的方法として、また、汚染が軽度の地域は1次的方法として適用が可能である。
Inipol EAP 22は海浜の表面に付着するため、表面下に油がある地域では、緩効性栄養塩(Customblen)を用いた。Customblenの使用濃度は、沿岸に栄養塩が流出したときに有害性を生じる可能性を最小限に抑えることを意図して設定した。その結果、大規模のモニタリングでも、沿岸の栄養塩濃度は継続的に基準値以下に抑えられており、US-EPAは、海洋生物への有害性はないと判断した。2〜4週間ごとに散布を繰り返すことも承認された。
a. 試験の概要
ここでは、Inipol EAP 22とCustomblen、そして水溶性栄養塩(Inipol EAP 22、Customblenとは違うもの。Ammonium nitrateとtriplephosphate)の効果をテストするため、補足的に試験が行われた。
プロットの設計はSnug Harbor試験とほぼ同様にした。3カ所のテスト用地が定められ、1)Inipol EAP 22/Customblenの双方、2)栄養塩なし、3)水溶性無機栄養塩で、それぞれ調査を行った。
b. 結果
Inipol EAP 22/Customblenのプロットは、2週間後に視覚的効果を示し、1カ月後、油は地下10cm以下でのみ検出された。水溶性栄養塩は、効果を示したが、Inipol EAP 22/Customblenらよりも効果がでるまでに時間がかかった。
8月末までには栄養塩のプロットは両方とも視覚的にきれいになっていたが、地下20〜30cmには油が残っていた。コントロールには視覚的に変化がみられなかった。
重量測定で油量を測ると、全プロットで油量は減少していたが、栄養塩を使用