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2.2.2 石油連盟

 

海洋自浄メカニズムの調査研究(平成6年度)は、回収しきれずに自然界に残る流出油に係る海洋の自浄メカニズムを解明し、その自浄メカニズムをより有効に活用する流出油処理方法を探求するものである。代表的原油の成分の精密分析の実施、大気への拡散性、海水への溶解性等を試験している。

 

2.2.3 海洋科学技術センター

 

原油分解能力のある微生物の探索を行い、深度1,945メートルの駿河湾海底から有機溶媒(シンナー、トルエン等)に強いDS711株を発見した。このほかにも原油分解能力のある微生物を発見したが、現在は、微生物の代謝物の利用方策、さらに原油分解能力のある微生物の育種、原油分解のメカニズム等に関する研究を行なっている。

 

2.2.4 漁場油濁被害救済基金

 

水産庁の補助事業として、生態系への影響を考慮しつつ、魚場の早期回復を図ることを目的として、自然浄化に深くかかわっている微生物の油分解能力を最大限に活用して現在の防除技術では除去しがたい海岸(砂浜・岩礁域等)等への漂着油を効果的かつ安全に分解・除去することを可能とする生物的手法による油濁処理技術の開発試験を行い、新たな「生物的油処理剤」を開発している。平成3年度から9年度の事業において、効果的かつ安全な油処理剤が開発されたが、さらに効果の高い油処理剤の開発を目指して、さらに事業期間を延長し平成14年度を目標として実施されている。

 

2.2.5 (株)海洋バイオテクノロジー研究所

 

国内外において、石油分解微生物の探索・収集を行うとともに、微生物による石油分解の効果を試験管レベルでの試験により、確認している。

現在までの成果は、以下の通りである。

 

(1)試験内容(試験管レベルでの試験)

?試験管に風化を模擬した油(230℃以下の留分を除去した原油)と微生物を入れ、微生物による油の分解量等の測定によるバイオレメディエーションの効果測定

?シーケンシャル・エンリッチメント(残存油をクロロホルムで抽出し、新しい栄養培地に移す)の効果測定(図2-2-1)

 

 

 

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