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(2)現在までの研究成果(試験管レベルでの研究成果)

風化を模擬した(このため、加熱して230℃以下の低沸点成分を蒸発させる)モデル原油2,000ppm(海水1リットル当たり2gの原油を混入)に、1ml当たり108〜109個のバクテリア(三陸海岸の底質で発見された混合菌)と、栄養塩としてリンを1リットル当たり10mg、窒素を1リットル当たり100mg投入し、バイオレメディエーションの効果をみたところ、20℃、約30日間で飽和画分の60〜70%、芳香族画分の30〜40%を分解できることがわかった。その後、70日目まで観察したところ、分解はほとんど進んでいないことも分かった。その理由としては、30日を過ぎると、微生物が分解できる油の成分が少なくなること、微生物が石油を分解することにより生成される中間代謝物の影響やpH値が下がる(酸性になる)こと等による微生物の活動の低下が考えられる。

 

 

 

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