り返される。人口の急激な上昇の後には、同じ様に急激な減少が来る。
長い間、人類の人口曲線は安定していて心配なかった。最近の数世紀の間だけ、この傾向が乱暴に打ち破られてきた。人類の人口は今、能力を超えた増加を経験している。遅かれ早かれ、地球人口は地球が支えきれないレベルに増えるだろう。
(後略)
4-8 世界の環境教育についての考察
本章において、これまでに未収録だった各国の環境教育資料を多く取り上げた。これらの中には、我が国の環境教育の体系化、総合化を行うために参考となる重要な資料が多い。
21世紀を持続可能な社会にするためには、環境教育が社会に広く定着し、力強く推進されていくことが必要不可欠である。このことは人類の最重要課題の一つともいえるが、その実現のためには、法律・議会、行政、専門家、市民と、NGOとがパートナーシップを結び、一丸となって優れた環境教育システムを確立する必要がある。
我が国の環境教育の現状を海外の先進事例と比較すると、特に大きく欠けている点が以下の4点について指摘できる。
1.体系化された国内共通の環境教育中心カリキュラムがない
2.国・都道府県、または教員養成大学等に共通の指導者養成システムがない
3.環境教育の推進と指導資格・内容等について法律で定められていない。
4.行政とNGO・専門家等の協力体制が日本社会に確立していない。
以上の4点について、我が国においても一刻も早く推進体制が整備され、多くの市民とすべての子どもたちが、環境教育によって、将来の環境問題解決を担う市民として育ち、我が国固有の自然、文化、地域社会が、21世紀以降も長期的に持続できるよう、早急に社会体制が転換されることが望まれる。