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*調査者は、学校で人々が自分自身の学習を展開し、自分の考えを述べ、結果を「自分のもの」とすることができるように、促進剤の役割を果たさなくてはならない。

*調査者と学校の人々が共通の考えを持つこと。

*分析は、できる限り学校の人々に委ねる。

これらの原則全部を出発点に、学校の建物とグランドを環境に敏感な管理のためのモデルとして使うアプローチを調査開発し、これを通して教師や生徒、そして望むらくは父母、監督官などの学校の地元の人々がそれを実習し関与するよう推し進めていくことが決定された。この背後にあるのは、このプロジェクトの目的を達成するためにはこれらの人々が積極的、協力的に、しかも進んだ方法で参加することが必要だという考えである。したがって、プロジェクトには、協力関係、参加、および能力授与に重点を置いて、強力で広範な教育的意味が込められた。

前後関係の中でこのプロジェクトを位置付けるためには、イギリスでは、学校を出発点に環境意識を向上させようとする数々の試みが行われてきたことを理解しておく必要がある(WWD,UK&Learning Through landscapes、1994およびBaczala,1992)。これらの構想は普通、教師に焦点を当てていた。また、時間割に組み込まれたカリキュラムに関するものもあり、また学校管理実習の聴講授業という形で、多くは聴講授業を実施した者が将来フォローアップ調査ができるように重要な質問を並べたチェックリストに関して行われるものもあった。今回のこの調査はこれらを土台にして、しかし特に、カリキュラムの時間割以外の学校生活に集中することと、時には生徒側からの管理を求める密接な参加を奨励することに力点を置いている。

 

協力校

 

調査に協力する学校は4校見つかり、各校はこの行動調査が基づく一連の原則を受け入れ、約6ヶ月の協力を快く引き受けた。学校に最も密接に関与する人々、通常は教師と生徒だが、彼らが自分達の学校内でのこのプロジェクトの目的を推進する活動を主導し、このプロセスを支える最も適切な管理構造を開発するのに最も適した位置にいることが、一般的に承認された。調査者の役割は、この学校を基礎にした活動を組織することを促進し、励まし、助成することであり、主導権を執ったり、批判的なコメントをすることではない。理解が不可欠なのは、この活動が全国カリキュラムの規定以上に時間割のカリキュラムを圧迫してはならないということである。これは事実上、活動の大半は普通、通常の授業以外の、昼食時、放課後、時には週末に行われることを意味する。各校は独自の管理および育成計画を開発し,評価の枠組みについては、それを実際に行なうための手段として機能させる明確な目標を定めて話し合った。4校のアプローチは、一校一校少しずつ違っており、これは述べておく価値がある。手短に言うと、各校は次のような特徴を持っている。

*管理職集団が調整(1)

 

 

 

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