hidden curriculum」ということがあるが、生徒がこうした事柄から学ぶことは多いので、この重要性を過小評価してはいけない。学校運営や他の機関を環境効率のモデルとして利用し、その中で生徒が、企画、監視、評価の有効性に関っていくという可能性については、まだほとんど実現には至っていないが、既にいくつかのアプローチが提案されている(Baczala,1992)。この簡単な調査からは、教師達の間にはまだ、多くの環境運動家が提唱する政治的な重点事項に取り組むことをいやがる傾向がはっきりとあることが窺える。これは、学校は政治的に中立でなければならず政治的な議論さえタブーだった長い伝統を考えれば当然といえる。
小中高校、大学教育、および成人教育の一部で環境教育を行うことが望まれる理由は、ほとんどの人々がはっきり理解している。その内容、使われるべきアプローチおよび期待される成果をめぐっては、多くの問題がある。本編では、環境教育それ自体の意義を訴えるよりも、こうした問題についての継続的な議論の探求に紙面を費やした。問題の一部は、スターリングSterling(1992)の言うように、「環境教育は教育に対する広範なアプローチである。その折衷的な性格は、逆説的に、常に長所にも短所にもなり得る。環境教育は、その折衷的な性格のおかげで狭く限定された教育方法に異議を唱えることができたという点では長所であるが、環境教育が教育思想や制度化された組織の伝統的な流儀の中で居心地が悪く落ち着かないという点では短所でもある。」ということである(Sterling,1992 p1)。
環境教育は、どんな教育的状況かにかかわらず、必然的に変化のプロセスと関連せざるを得ないと考えられる。現在の学校教育のシステムは環境教育の発展を奨励するものではないが、環境および環境がもたらす緊急課題の両方の視点から、状況は常に変化している。また、教育の中にあっても、社会が求める環境教育の目的には変化がある。
表1
持続可能性および「環境態度」の質問に対する教師の回答
小学校中学高校
1.a)教師の持続可能性の概念を認識
b)指導の中での持続可能性という語の使用
2.環境教育の主な目的は環境に対して責任ある行動の育成である。
3.指導の中でのライフサイクル分析の要素の取り入れ
4.a)地域の環境維持改善への参加
b)環境維持改善への積極的な関与は環境教育の重要な部分だと考える。
5.環境教育は政治的意識を高めるべきである。
6.環境教育に関る主な個人的動機