日本財団 図書館


生活の再組織化がある。

 

プロジェクトから生徒が利益を得る方法:

上記の本文では至る所に生徒が環境プロジェクトから利益を得るための方法についてその重要な要因を指摘してきた。今までに述べていないいくつかの要因についてここで補足することとする。

数多くの教育的な調査を行った結果判明したある事実は、ある前後関係で生徒が何を学習したとしても、それはその前後関係に関連した形で残っている。たとえば、もし生徒がデンマークの飲料水における窒素化合物の量と将来の水質面について作業をしていたとすると、一般的にはそのすべての可能性の中で生徒たちは環境問題について数多くのことを学ぶはずである。しかし、生徒たちは、より広い前後関係において自分が学習したことを利用するように直ちに適用することはできない。これがとりもなおさずこの教育の根底に流れる目的である。その理由は生徒が成人するにつれて直面しなければならない各種の環境問題やそれに関連した問題点を学校で取り扱うことはできないからである。その代わりに、我々は来るべき問題点の代表的なものとして、いくつかの問題点を学校での時間内に適切にカバーして検討しなければならない。

生徒が与えられた具体的な問題点に取り組む間に学習したことから生徒たちが普遍化することができるようにかなりの努力を払う必要がある。しかし、政治家に手紙を書いたり、インタビューを実行したり、環境問題を調査したりするような技術を生徒に教えるケースでは、生徒は自分が学んだことを応用する上で何の困難も感じないであろう。MUVINでは天然資源の開発に関係する相容れない利益を生徒が理解することに大きな重点を置いており、これが洞察への普遍化を行う場合に強調しなければならない重要な面となっている。

同じ理由で、MUVIN-DKは生徒が限られた時間だけたった一つの環境プロジェクトだけを学習するべきではないことが重要であることを強調している。少なくとも2つのプロジェクトについて、年度内では十分に時期を離して学習することにより、最初のプロジェクトで得られた洞察を二番目のプロジェクト内で更に発展させる上で特に集中させる機会ができる。このことは、将来一般的な知識として身に付く主要な貢献であることが示される。

生徒の思い出の中では遠足、フィールド・トリップなどは「記憶の中の塊」としての働きをしており、そのため生徒の心の中でこれらの経験を将来の作業の目的や効果と結びつける努力をしなければならない。

 

研究機関や他校との協力:

MUVINは主として北欧協力プロジェクトである。その違いがあるにも関わらず、北欧諸国は基本的には共通した文化的価値を有している。MUVINの目的の一つはこの共通な文化遺産を強調し、環境教育の前後関係と内容においてこれを打ち立てることである。その中でも学校制度において強い民主主義的な伝統を有しており、国際主義の今日では我々は北欧レベル及びそれを超えるレベルで環境教育の実績により貢献すべきである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION