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小川の代父(母)役

バーデン・ヴュルテンベルク

環境省

環境省の文書「小川の代父(母)役」

若い人達が自然保護と環境保護の問題に積極的に関わっていることは、多くの学校やクラスの典型的な環境プロジェクトにも示されています。学校園を造ること、小川やビオトープの代父(母)役を引き受けることがそれに当たりますが、更に、ゴミを少なくし、エネルギー節約を行う学校、というのもモットーのひとつになっています。

学校における実際の環境教育の為の心理的前提は整っているのです。後は、これを利用するだけです。

 

?W.環境教育の構想について

学校における環境教育の構想と構成の問題に関しては、色々と異なる試みや立場があります。

例えば環境団体の側から、「環境教育」という独自の科目を設けよとの要求が出されていますが、私の考えによれば、これは少々短絡した意見です。環境というテーマを、様々な科目の中に定着させる方が良いし、又その方が、この題目にふさわしいと、私は固く確信しております。「環境」という特別な科目によるよりも、むしろそうすることによって、エコロジーの問題の総合的な絡み合い、内容的な、自然科学的な、技術的な、経済的な、政治的な、更に倫理的な関連に対処し得るのです。環境問題は、網目状に結び合わされた思考の典型的な例と言えます。全体的に繋がり合った問題設定を、それぞれ孤立した専門分野に分割することはできないのでありまして、そのことを示す模範的実例が、環境問題なのです。もちろん、個々の学問の環境分野における貢献が重要であることは確かですが。

従って「環境教育」は、私達のカリキュラムでは既に1984年から、複数の科目に跨がるテーマとされているわけです。自然科学系の科目ばかりでなく、ドイツ語、宗教、社会科でも、とにかく環境に関連する問題提起が現れた場合はどこでも、このテーマを考慮に入れることができるのです。

1991年度から、私達の学校での環境教育の調整は、いわゆる主導科目の教師の責任になっています。上級学校の5学年から11学年までは、環境という観点からすると最大の重要ポイントが含まれている科目、つまり、地理学、生物学、物理学、化学が、主導科目に決められました。これらの科目を教える教師は、環境というテーマと、その学年の他の授業科目との調整を行う任務を負うのです。こうした構想によって、打ち合わせのされた授業に基づき、環境問題を、その自然科学的、又技術的側面ばかりでなく、経済的、社会政策的、並びに倫理的、宗教的な次元についても、包括的に論じていく可能性が保障されるわけです。この場合、主導科目の教師と校長が、これに関係する活動についての責任を負っています。これに関連して、実科中等学校で取り入れられた、「人間と環境」とう選択分野にも触れておきたいと思います。そこでは、行為に主眼を置いた社会的な学習に基づき、環境保護の理論と実践が教え込まれるのです。

 

 

 

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