OECDプログラム「Environment and School lnitiatives」(ENSI)は1986年に発足し、約20ヶ国の学校が参加した。ENSIプログラムの教育学的な狙いは、主として学校と地域社会の協力、環境保全のイニシアティブと責任を取ろうとする生徒たちの能力開発、およびこれまでの学習習慣(practice)と教育方式の反省にあった。ノルウェーでは、これらの狙いはこの環境教育システムにおける色々なレベルで学習に色々な方法で盛り込まれた。ENSIでは、環境訓練を成功させるには基礎学校での授業の内容と方法を改革する必要があるということがよく認識された。このプログラムはノルウェーの環境訓練の発展にとって重要な役割を果たした1)。
註1)「環境教育と学校の発展」、ノルウェーでの環境教育戦略の評価、KUF、1993年11月
FN(国連)環境教育プログラム、IEEP
国連の環境教育プログラムIEEPは、ノルウェーと北欧で1974年〜1977年の期間に行われた作業と平行して開発された。この国際的な作業には、ノルウェーおよび他の北欧諸国での作業に従事していた者の多くが参加した。環境教育の目標と原則は、1977年10月14日〜26日にソ連のトゥビリシ市(現グルジア共和国の首都)で開催された国際会議で採択された。環境教育の目標、部分目標および戦略はトゥビリシ文書2)に確定された。ノルウェーは、国連が推奨した目標と戦略に従って、このプログラムの推進に積極的に参加した。国連は環境教育の主たる目標を下記のごとく定めている。
註2)Intergovernmental Conference on Environmental Education、Tbilisi 1977
目標
自然の原理、人々の生活方法、社会経済および実際の政治の間に存在する相関性に関する理解を促進すること
人類に環境の保護に役立つ知識、行動能力、能力を取得する可能性を与えること
個人、グループ、社会全体の環境に対する行動パターンを新しくすること
部分目標
o 意識-個人とグループが、地域と地球全体の環境保全に関する問題点を把握すること。
o 知識-個人とグループが、民族のそれぞれ異なった生活環境と生き方に関する基本的知
識を得られるようにすること。
o 姿勢-個人とグループが環境問題に対する社会的姿勢と責任感を発展させて、環境を保全し、改善する活動を展開するように動機付ける(motivate)こと。
o 能力-個人とグループがエコロジー、政治、社会、教育の各見地から環境政策を批判的に評価できるようにすること。
o 協力-個人と社会グループが、環境問題に関して責任ある行動が取れるように支援するこ