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で働く専門家をひとり雇った。その主たる任務は資料「基礎学校での環境論」を教えることにあった。

また、1977年には、環境教育のための県連絡グループが結成されて、県と県の間の協力体制が強化された。このグループは学校監督官の下にあって、基礎学校を管轄していた。このグループには、農業組織、環境保護管理局、ボランティア団体、また地方によっては教員組織が代表を送り込んでいた。1977年から1981年の期間には、これらのグループのために色々な会合や研修会が開かれた。グループの任務は、それぞれの県において訓練と広報活動を展開することにあった。グループは1989年に改革され、1993年にはKUFとMDが協力して、これらのグループのための新しいガイドラインを作成した。このガイドラインについては付録5を参照のこと。

FN(国連)委員会は、環境と開発の関係を調査するために「環境と開発のための世界委員会」を1983年に設置したが、その調査報告「我々みんなに共通の未来」が1987年に発行された。この報告には環境と自然開発の相互関係が示されている。そこでは、後の世代の人類が幸せに生きて行ける地球にするには、自然開発を現地だけの利害関係に任せず、人類全体の利益を考慮して一定の方向にコントロールする必要があると強調されている。資源は、人類全体の利益になるように、公平に分配されねばならない。

ノルウェーでは、1988年に報告が作成され、国会に提出された。この報告第46号(1988〜89)「環境と開発について」には、ノルウェーが国連委員会の勧告をどのように遵守する予定であるかが説明されている。その中には、教育について独立した章が設定され、人類の永続的な発展に役立つように学校システムをどのように改革するかが論じられている。そのための措置のひとつとして、すべての教員に環境論について特別に勉強する機会を与えることが提案されている。また、すべての学童を全国規模で展開される環境教育プログラムに参加させることも提案されている。1988年には、教会/教育/研究省は訓練システムの枠内で「環境と開発」に関する作業に取り組む専門家をひとり雇った。

1989年にはRVOは、色々な科目の授業に関連して環境と開発についてどのように教えるかを示す文書「環境教育ガイド」を作成した。1990年〜91年の期間には、各県に県学校監督官の指揮のもとに活動するインストラクター3名が設置された。彼らは上級教育課程における環境教育を支援することを任務としている。詳しい点については、第3章の部分目標1を参照のこと。

 

北欧各国間の協力は1974年にスタートし、中心となって活動すべき人材の養成、そのコムピテンス(competence、資格/能力/適格性)および教材の開発に全力を挙げた。第二段階(1981〜1991)では、学校間のネットワークを作る手段として、方々で各国の教育関係者を集めて、大規模な北欧シンポジウムを開催した。90年代に展開された北欧環境プログラム「北欧での環境教育」(MUVIN)は、天然資源の利用における利害関係の対立に関連する色々な問題をその出発点とした。このプログラムで重要なアプローチ手段とされたのは、ローカル・レベルと北欧全体の行政機関どうしの協力と学校どうしのネットワークであった。

 

 

 

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