主流となるEE:カリキュラム開発
たとえ国際的要求と政治的支援がノルウェーのEEに与えられていたとしても、学校の公式義務である全国カリキュラムガイドラインにEEを統合しなかったならば、ほとんど長続きする効果は見られなかったであろう。
M-87
学校カリキュラムの最後の主要な改訂が、1987年(「M-87」)に行われた。「環境」という言葉はM-87ガイドラインの中であまり目立たなかったが、カリキュラムの実際の内容は、大部分EEの原則に沿ったものだった。M-87で重点を置いたのは、地方教育プランの開発、地元の資料と例に基づく指導、学際的アプローチ、および生徒が自己の結論を引き出す科学的方式の使用であった。M-87のカリキュラムガイドラインに基づき、現在、多くの小学校や下級中学校が、地域社会でのプロジェクト活動の能力、地元の人々や当局との様々な方法による協力を強めている。
新しい総合カリキュラムガイドライン
小中学校のカリキュラムは、現在、新規の主要改訂を実施中である。1993年、新しい総合カリキュラムを公開し、小学校と下級中学校に対して学科の新しい時間割を、中学校に対して13コースの提議された学習を準備中である。新しい総合カリキュラムは、EEの学際的、倫理的志向に高い優先順位を与えている。カリキュラムのひとつの章全体で、「環境を理解する人類」に焦点を絞っている。
「教育の目的は、子供、若者、大人が人生の仕事に直面し、他人と共にその課題に立ち向かうために必要な道具を与えることである。教育は、生徒が自ら責任をとり、個人として生き、同時に他人を助けるエネルギーと意志を持つのに必要な能力を与えることである」。
総合カリキュラムガイドライン、教育省1993年
「教育は、共通の目標追求に向けて、個々人が勤勉で密接に協力するよう鼓舞しなければならない。教育は、目指す成果の達成を容易にする行動パターンを生徒に教えなければならない。教育は民主主義、国民性、国際理解を促進しなければならない。教育は、ノルウェーが地球社会の創造的一員になれるよう、他民族との結束を強め、人類共通の環境を開発しなければならない」。
総合カリキュラムガイドライン、教育省、1993年
「人間は、自然環境の一部であり、自らの幸福のみならず他人の幸福とその環境に影響する意志決定を絶えず行っている。その決定は、国境を越え世代を越えて広がる重要性を持つ:言うなれば我々のライフスタイルは健康に影響し、我が国の消費は他国の汚染を引き起こし、我々の廃棄物は次世代の問題となる」。