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できるように適応している。(サイクル、材料消費、材料再生、消費率、再生率、バイオヤス/生体量)

(1)自然のエコシステムにおいては、消費率と再生率とはバランスしている。(再生可能資源)

(2)原始的人間社会を含んだエコシステムにおいては、これらの率もまたバランスしていた。(エコシステム・バランス、社会グループ)

(3)現代の人間社会のグループを含むエコシステムではエネルギーと材料の大量の外部補給が要求される。(社会グループ、被再生資源)

4. 生物圏内の各々のエコシステムは何種類かの生物種と個体数を含んでいる。その規模や安定性は変化するが、システム内の生物的また無生物的な変化に応じて増減する。(関連概念:種、個体数安定度、生物的、無生物的、コミュニティー/生物共同体)

a)1つのエコシステムに適応して参入した或る種の個体数(個体群)は典型的にはS字型の成長を示す。

まず、出生率が死亡率を上回り、やがてピークでバランスし、ついには死亡率が出生率を上回るようになって減少する。(ポピュレーション(個体数)、S字型成長カーブ、ポピュレーション・ダイナミックス、ホメオステーシス/恒常性、指数的成長)

b)個体数、出生率、死亡率は内在的および外部的制限要素に左右される。(受精率、移出、移入)

(1)内在的要素とは遺伝的なものであり、生殖能力や、本能的行動や、食物必要度、生存能力などを含む。(関連概念:許容量/キャリング・キャパシティ)

(2)外部的制限要素とは環境的なものであり、化学的要素、例えば栄養素、毒性物質、また物理的要素としての温度、湿度などを含む。

また、同じ種の他の個体や別の種との相互作用、例えば、競争、捕食、寄生などを含む。

個体数の密度は全ての外部的関係に影響を与える。(個体数密度、個体数許容量、相互作用、共生)

(3)現代人の出生率は、主として社会的文化的手段によって影響を受ける。例えば、結婚を遅らせたり、家族計画をしたり、テクノロジーによる死亡率を左右したり、現代においては人口爆発が深刻な問題になっている。

c)エコシステムにおける個体数のサイズは長期的には物理化学的変化や、生物的相互作用によって変化する。それによってエコシステムの種と個体数の許容量が規定される。一定限度内で、テクノロジーはこのキャリアリング・キャパシティを増大させることができる。

d)種の群集(ポピュレーション)内の個体数の総数と空間的な配置はエコシステムの機能にと

 

 

 

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