「アジェンダ21」は、さらに3つのプログラム分野について述べている。
・教育全般を持続可能な開発に向けて再編成すること。
・一般市民の環境教育を高めること。
・環境教育関係の訓練を推進すること。
次に環境教育における主要ゴール(気づき/意識,知識,倫理観,問題解決技能,市民活動経験,等)のうち、知識の内容についてもう少し詳細に見ることにする。
それは、児童生徒たちに自然環境についての基礎的な知識と理解を獲得させる問題であり、人間活動がどのように自然環境に悪影響を与えているか、またどのような解決方法があるか、人間と自然とがどのように調和して共存するかを学ぶことである。
それは、やはり、そもそも地球の自然環境がどのようなものであるのかを科学的に理解することがきわめて重要である。(但し、行動を伴わない知識はただ頭の中にあるだけの空虚で無力なものでしかないが。)
■「地球の自然環境についての科学的な理解」
A.地球の環境とは1つのシステムとして作動しているものであり、それは地球 自体の構造の機能と太陽系内の一惑星であるという諸条件によって維持されているようなシステムである。
1.太陽エネルギーが生物地理科学的サイクルなどの主要なエネルギー源である。
2.原子力プロセス、地熱、潮力、重力が第二次的エネルギー源である。
3.地球は全体として、エネルギー的にバランスが取れている。太陽エネルギーを受け取り放射で宇宙へ熱を発散する。
4.地球の自転と年一回の太陽のまわりをまわる運動、太陽エネルギーの差異吸収が、大気の運動、潮流、水理環境に成り、地球上の気候や天候となり、地球上の生物へ必須の条件を提示する。
B.地球環境は、複雑で、相互関係的で、相互作用的かつダイナミックで常に変化し続ける「生物圏」と呼ばれるマクロシステム(巨大システム)である。
1.この生物圏はエコシステムと呼ばれる相互作用的なシステムのモザイクから成っている。(エコシステムのグローバルな単位はバイオームと呼ばれる。)
a)エコシステムとは認識可能な、同質の、特定の空間と時間の点に存在し、3つの要素グループから形成されている。
(1)物理的(太陽エネルギー、気候、岩石、水)
(2)生命形態(人間を含む全ての生物)
(3)生物と無生物の間の相互作用(競争、浸食、分解)
b)エコシステムの特質は、その諸要素の相互作用から生まれた全体は組織的なものであり、各々の要素そのものの特質とは異なったそれ以上のものである。それは完全な機能的単位としてのみ理解されうる。