異なった構造の、幾つかの近隣の農場が、生徒達の学習の為に開かれ、それが、今日の農業の現実的な姿を見せてくれるわけである。これらの農場は、それぞれどんな重要ポイントを示しているかに従って、プログラムの順番に加えられることになる。学校農場は、第4学年から、総ての種類の学校に対して開かれている。農場での宿泊期間は、通例12日である。
5.6 スポーツと環境
環境に適合した行動を教育しようという努力は、スポーツにもかかわるものである。
余暇と、余暇に行うスポーツ種目の重要性が、近年とみに増してきた。この傾向は、まだこれからも続くと思われる。
ヨット、サーフィン、カヌー、ロッククライミング、スキー、又特にマウンティンバイクのような、いわゆる自然スポーツの種目が、非常に愛好されており、中にはその人気がますます上がっているものもある。
スポーツ連盟は、自然に適合したスポーツのやり方を教育する必要を認めている。訓練指導者やメンバーに対するしかるべき専門教育、並びに補習教育を通して、又、この目的に合致した刊行物を通して、環境に適合したスポーツ活動という問題意識、並びに行動変更を目指す努力が払われている。
学校の体育の授業においては、いわゆる補足領域でこのようなスポーツ種目を取り上げることができる。
学校施設でのスキー宿泊は、依然として大きな意味を持っている。
「スポーツと環境」というテーマを、複数の科目に跨がって取り扱うに際しては、文部・スポーツ省のスポーツ・環境解明機関で照会することが、どの種類の学校の教師にもできるようになっている。3(資料)に挙げられている、このテーマに関して作成された映画は、特に注目すべきものである。
3-4 その他
我が国においては、欧米各国の教員養成カリキュラムにおける、環境教育の捉えられ方、履修単位の内容について、まだ十分に紹介されていない。しかし、多くの国々では、以上に紹介してきたように、きっちりとした理念に基づいて、教員養成が行われており、その中に環境教育も位置づけられている。
ここに紹介した3カ国については、環境教育の指導者養成について、国や州の法律・規則の中に、具体的に指針が決められている例であるが、環境教育に限定してはいないものの、実際には環境教育指導者の要件として必要とされる、ファシリテーター(学習援助者)としての役割の重要性や、地域社会の中にあっての教育者の役割にまで言及して、どのような教育指導者にならなくてはならないか、具体的に指針を定めている例がほかにもある。
ここでは、いかなる教員を養成するかについて、ベルギー連邦フレミッシュ共和国の「Objectives」の内容を一部取り上げ、以下(3-4-1,3-4-2)に紹介する(同資料全文は4章に収録)。
3-4-1 教員養成の内容10項目
1 学習および発達プロセスにおけるファシリテーターとしての教員
2 教育者としての教員
3 内容の専門家としての教員
4 オーガナイザーとしての教員